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徒然日記 ~2019/09/17~

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先々週の不破NTL彦さんの感想以来、お久しぶりの更新です。お休みを頂いた理由は後述するとして、まずは先日の『プリキュア大投票』。トップ3がブラック・ホワイト・マリンというのは順当過ぎる反面、ガンダム総投票でのシャア・アムロ・オルガと対比すると、マリンはオルガ級のネタキャラ扱いなのかと妙に納得してしまいました。学校を壊そうとするデザトリアンを止めるじゃねぇぞ……そういや、水沢さんの生アフレコ候補で上記の学校ネタがなかったのは、ブンビーさんの紹介でケーキ盗み食いの濡れ衣を着せられたシーンがなかったのと同じくらいに勿体なかったなぁ。あとは作品部門で『フレッシュ』の第9位は思っていたよりも低い。個人的にはスマプリ推しですが、作品的には初代&ハートキャッチと並ぶプリキュア三大作品と思っているので、色々と意外な結果でした。でも、一番の驚きは追っかけ実況時のツィートにブラックの中の人からRT&コメント頂いたこと! ぶっちゃけありえない! 本当にありがとうございました! スクショ撮って一生の宝物にします!

それでは、先週のお休みの理由も含めて、今回の記事に移ります。話題は3つ。

 

 

1.『いだてん~東京オリムピック噺~』第34話&35話超簡易感想(ネタバレ有)

 

黒坂辛作「俺は嬉しいよ。日本人だろうが朝鮮人だろうがアメリカ人だろうがドイツ人だろうが、俺の足袋履いて走った選手はちゃんと応援するし、勝ったら嬉しい。それじゃ駄目かね? 金栗さん?」

 

『民族の祭典』というナショナリズム&エスノセントリズムに染まったオリンピックに対する理想的な回答を示した播磨屋さん。この論法が通じないマラソンランナーはアベベだけでしょう。震災デマといい、日系人迫害といい、生臭い題材をギリギリのところでカスめて、誰をもコキおろすことなく、本作独自の絶妙な妥協点を見出すテクニックには脱帽するしかありません。本当は『八重の桜』の政治描写のようにガッツリとエゲツないまでに掘り起こして欲しい事案ですが、これ程までに巧妙な回避テクニックを見せられると、その技術を褒めたくなってしまいます。視聴率から察せられるように『いだてん』は好き嫌いがハッキリ分かれる作品ですが、作劇の『巧い』『下手』でいうと『巧い』作品なのは間違いありません。先週の『226』を『目黒のサンマ』で描くのもそう。ラトゥール会長が嘉納センセによる贅を尽くした『お・も・て・な・し』よりも、純粋にスポーツを楽しむ子供たちに惹かれるシーンは、彼もまーちゃんと同じように『オリンピックは大きな運動会であって、それ以上でも以下でもない』という主義の持主であることを如実に描くと共に、

 

五りん「オリンピックは東京にかぎる!」

美津子「あらやだ。目黒のさんまだ」

 

というサゲで『サンマは目黒にかぎる』という元ネタの殿様と同じく、ラトゥールの判断は結果的に見当違いの発言になってしまうことを暗示している訳ですよ。巧妙過ぎる。実際、ラトゥール会長の来日を巡る嘉納センセとまーちゃんのオリンピック開催の可否を巡る激論も、

 

田畑政治「どうなんだよ! やれんのかよ!」

嘉納治五郎「やれるとかやりたいとかじゃあないんだよ! やるんだよ!」

 

という飛龍革命的な旧日本軍のヤケッパチ精神主義に通じるレベルになってしまっている訳で、この辺も凄くリアリティがありました。貧すれば鈍する。はっきりわかんだね。個人的にツボッたのは、

 

田畑政治「コックに言っておけ。薄いんだよ、味が! ミソスープの!」

 

の件。金栗君&三島天狗のお前にピストル安仁子のダシなしミソスープを御見舞いしてやろうかという声が聞こえた気がしました。戦争を知らない子供たち的な贅沢な悩みやね。

 

 

2.徒然上京日記~2019・初秋~

 

先週の月曜日&火曜日と東京に行って参りました。メインのお目当ては東京国立博物館で開催されていた『三国志展』。誘ってくれた友人からは『絶対に混むから開場前に現地入りすること!』と聞かされており、いやいや、流石に平日の朝っぱらから並ぶ必要はないやろと舐めてかかっていたら、当日は本当に行列が出来ていて震えた。現地の人間のいうことは聞くものやね。

そんな訳で前日に東京入りした私。前日は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の劇場版外伝を見るべく、御徒町へ。近くに昨年のオフ会で訪れた『イゼルローン・フォートレス』がありましたが、事前予約が必要なので、今回は無念の攻略断念。でも、前回貰った階級章を提示したら、グッズコーナーは利用出来たんだよなぁ。しまったなぁ。

新幹線の乗車中&上映待ちの間は『いだてん』総評記事の青写真を脳内整理。前日の夜にツイッターでも呟いたように、以前から『本作は低視聴率が本当に惜しい。内容は兎も角、この数字では今後暫く近現代大河の芽はないと思う。普段のブログ記事に相反することをいうようだが、内容的にはアレでもいいから、今年にかぎっては数字が欲しかった』と考えており、これを総評記事の柱に八月から諸々の準備を進めていたのですが、上映時間待ちの際に御徒町の喫茶店で上記の自分の呟きをツイッターで確認していると、携帯の画面に現れたのが、

 

『2021年大河ドラマ「青天を衝け」 製作開始と主演・吉沢亮さんを発表!』

 

終わった……今、全てが終わった……いや、違う、始まったんだ、総評記事をイチから練り直すという地獄が……!

それにしても渋沢栄一とは! 色々と斜め上過ぎるチョイスでした。前半生は幕末とはいえ、後半生は確実に近現代大河になるでしょう。今年の大河ドラマの視聴率を受けても、近現代ネタに挑戦するとか、NHKも思い切った手に出たものです。尤も、近現代への挑戦自体は評価したいのですが、題材的には『いだてん』よりも興味が……ねぇ。渋沢さんは大人物ですし、業績もエピソードも大きいのですが、実業家というのはオリンピック以上に肌に合わない。何というか、その、

 

ビジネス啓蒙本大河になりそう

 

な予感がビンビンします。実際、御本人も『論語と算盤』という如何にもPHPっぽい著作を残しておられますからねぇ。それでも、主演がおっさん系でしたら、今年の嘉納センセのようにアヘアヘ金欠&ウホウホ借金おじさんみたいなトンデモ系の描き方もあり得そうでしたが、吉沢君はイケメンやからなぁ。いや、吉沢君がどうこういうつもりはないよ。メテオ好きやったし。でも、イケメン主人公の場合は『天地人』や『軍師官兵衛』みたいにサスガシブサワジャみたいな展開になりそう。

そんな訳で現時点では個人的にマイナス要素のほうが大きそうな再来年の大河ドラマですが、主人公の両親に角野卓造さん近藤春菜さんをキャスティングしてくれたら、視聴意欲がグッとあがるかも知れません。『獅子の時代』的に。

 

二日目はメインイベントの『三国志展』。

これも友人から『通勤ラッシュ時の山手線を甘く見るな!』と忠告を受けていましたが、まぁ、何とかなるやろと御気楽に考えながら、身支度の途中でホテルの窓から下を覗くと(秋葉原駅隣接のビジネスホテルでした)、田舎の駅では見たこともない人数がホームに犇めきあっていました。思わずカーテンそっ閉じ。秋葉原駅から上野駅の公園口まで30分かけて歩きましたよ。駅出口で待ち合わせた友人と合流して、会場に向かいました。先述のように平日にも拘わらず、会場前から行列が出来る盛況ぶり。我々よりも先に行列一番乗りを果たしておられた初対面の御婦人と三国志&戦国談義で盛りあがりました。その方の好きな武将は曹操&三成。装鉄城さんと話合いそう。私が『三国志は兎も角、意外と好きな戦国武将は思いつかない。強いて挙げると榊原康政』と答えると、友人が『与力さんは上杉謙信の地元じゃあないですか』と問い返してきたので、

 

与力「謙信公はランキングするものではない(キリッ

 

と返答しました。多分、呆れられた。ちなみに好きな三国志人物ベスト10は以下の通り。

 

魯粛……横光版も蒼天版も好き。外交の何たるかは魯粛に学べ。

鄧艾……『地政学』を知り尽くした三国時代随一の指揮官。

孟達……三国時代のグリルパルツァー。曹丕と馬が合う変人。

曹丕……御存知ゲスの極み皇帝。今回の展示でもやらかした。

孔融……所謂『炭鉱のカナリア』。学者たるもの斯くあるべし。

李典……知性派の副将。『蒼天』版に違和感を覚える稀少な例。

霍峻……劉備蜀獲りの後背を支えた守城の名手。もっと知られろ。

馬超……最高に残念な子。正直、人間的には呂布よりもヤバイ。

曹叡……袁煕の子にしては有能。曹丕の子にしては真面目。

甄夫人……人妻&NTR&托卵という倒錯コンテンツ詰め込み女性。

 

さて、展示内容は……敢えて多くは語るまい。午前9時半に入って、全てを見終えたのが午後一時近く。見応えあり杉内。芸術系よりも考古学系の品が多かった感じです。展示品を見ると魏の国力の圧倒的優位が一目瞭然なのよ。人口比で魏・呉・蜀は7:2:1といわれていますが、それ以上に技術力に差を見せつけられましたね。何せ、曹操の墓から白磁の器という三国時代にはオーパーツ同然の品が出土している一方、呉や蜀の展示品は凄く素朴な土人形とかがメインなのですよ。文化以前に文明の差が歴然とし過ぎている。こら、勝てませんわ。そういえば、曹操の墓の再現&発掘の様子を撮影した写真も見ましたが、関羽に降伏する于禁の壁画はなかった模様。よかった……ゲスの極み皇帝とかいう曹丕の評価は後世の冤罪だったんだね……と思っていたら、曹丕が劉楨から廓落帯(装飾を施したバックル)を借りた件がバッチリ紹介されていていました。展示解説では、

 

「曹操の子・曹丕にはどうしても手に入れたいものがあった。『廓落帯』という飾り帯である。しかしすでに作り手が絶えていたため、手本になる類品が必要であった。臣下の劉楨が廓落帯を所持していたので、曹丕は手紙を認めて拝借を請い、劉楨は快く差し出した」

 

と記されていましたが、この時の曹丕と劉楨の遣り取りを記した『典略』の記述は以下の通りです。

 

曹丕「物とはそれを持つ者の身分によって価値が決まるんだよなぁ。だから、わざわざ賤しい者の手にあるものを取りあげたりしない決まりになっているんだよ。今回、廓落帯を借りたけれども、これを返してもらえないんじゃあないかと疑ったりするなよ? な?」

 

言外に借りパクする気マンマンで草。

 

わざわざ念を押すところが最高に『永久に返さないだけだぞ』的ジャイアニズム価値観。既に一度来場していた友人の話によると、ゲームで曹丕を演じた声優さん音声ガイドでは『快く』のところに凄く力が入っていたとのこと。まさにゲスの極み。曹丕という男は『皇帝としての務めを疎かにしない範囲で如何に家臣をイビリ抜くか』という命題に自身の生涯を捧げた感があります。尤も、劉楨は普段から曹丕と仲がよく、曹丕が酒宴で妻の甄夫人に挨拶させるという暴挙(当時は身分の高い人間の妻は衆目に晒さないのがマナー)に出た時、他の面々は畏れ多さに平伏する中、唯一人、

 

劉楨「子桓さんの奥さん、激マブっすわー!」

 

とガン見した逸話があるので、上記の廓落帯の一件も悪友同士のタチの悪いジョークであったのかも知れません。ちなみに奥さんをガン見された曹丕は何故かクッソ上機嫌でしたが、話を聞いた曹操がブチぎれて劉楨を殺そうとしたという逸話があります。これを鑑みると曹操と甄夫人は或いはただならぬ関係であった可能性もあるかも。曹操の死後、彼の後宮にいた女性を曹丕が漏れなく自身のハーレムに入れたことが露見して、生母の卞夫人に『お前の通ったあとはペンペン草も生えない(意訳)』と呆れられたといいますが、先にNTLをやらかしたのは親父のほうであったのかも知れません。いや、待て、そもそも、曹操が甄夫人に目をつけていたのを知って、先にモノにしたのは曹丕だ! うーん、このNTLNTR親子。

 

 

3.『翔んで埼玉』超簡易感想(ネタバレ有)

 

麻実麗「イカく埼玉!」

 

いや、流石にイカ臭くはないやろ。

 

突然、話題が変わったようで恐縮ですが、実はこれも『三国志展』に誘って下さった友人が以前から激推ししていた作品。帰郷した翌々日にレンタルリリースされていたので、これも何かの縁と思い、鑑賞しました。うん、最高に馬鹿映画だ。今年の下半期ベスト作品の暫定一位確定。現時点では未見の『記憶にございません』と共にランキングの台風の目になりそう。

本作を見て改めて思ったのは『アニメや漫画を映像化する際にはキャラクター造型は原作に忠実でなければならない』ということ。いや、本作は原作からしてネタまみれなので、造型もへったくれもないように思えますが、重要な二つの点をキチンと押さえているのですよ。一つ目は壇ノ浦百美が可愛くないこと。演じた二階堂さん御本人は可愛いです、念のため。ただ、本作で百美を可愛くしてしまうと二人はBLとはいえ、純愛作品の雰囲気が出てしまうのですよ。それではイカン。では、何が大事なのかというと、それが二つ目の要素。

 

麻実麗と阿久津翔がクッソエロイ

 

ということ。元々は敵対しあう両名の絡みに(性的な意味も含めて)男の色気が求められる。つまり、本作に必要な色恋は純愛よりも耽美なのです。その点を本作のキャスティングはキチンと判っていたと思います。

実際、阿久津が麻実の鼻の穴にピーナッツ詰めながら接吻する場面のガックンの喘ぎ声ときたら、ノンケのワイでも妙な性癖に目覚めてしまいそうな色気ムンムンですよ。しかも、この場面は百美の夢であって、別になくてもストーリーに問題のないシーンというのが、スタッフは本作を見る観客のニーズが判っているなと唸らされました。それにしても、ガックンと伊勢谷さんの絡みがすげぇ。上杉謙信(風林火山)と高杉晋作(龍馬伝)という日本史が誇る二大マジキチヒーローを演じた二人の絡みでお腹一杯になりました。ガックンは兎も角、伊勢谷さんはまた大河に出てくれないかなー。

 

 

 

 

 

 


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