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徒然11周年日記

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おかげさまで開設11周年ですが、昨年のセミリタイア宣言もありまして、定年退職後のスローライフで迎える誕生日のようなまったりとした心境です。これからもオヤジが履き古した股引のゴムのような緩々の内容&更新頻度&いつ途切れるか判らないブログを続けて参りますので、宜しくお願い申しあげます。尤も、先日の『竜とそばかすの姫』や『閃光のハサウェイ』のようにグッと来る作品や話題があれば、ガシガシ更新していくつもり。この間、久々に地上波で放送された『もののけ姫』を見た時もツイッターで実況しながら、

 

「エボシ御前が身売りされた女を見ると全て買い取ってしまうのは自身のトラウマに起因する代償行為で、彼女たちの生活のためには国崩しはおろか、平然と神殺しをやってのけるのはソシオパスの典型例! 犯罪心理学的に実に興味深い!」

 

と訳の判らん熱中&納得をしてしまいました。あと、最近では某海ドラの吹き替えで見た田中敦子さんのヤンデレというありそうでなかったキャラクターが今年最大級のツボ。デレ系の艶のある甘い囁きからのヤン系のドスの効いた声の落差はマジで漏らしそうになりました。大きいのを。こんな感じの比較的どうでもいい話を今後も気楽に続けていけたらいいなと思います。今週の話題は3つ。まずはオリパラの狭間で江戸から明治に変わった大河ドラマの感想。

 

 

 

 

林董三郎「OH! NO! 人をフロアに? 直に寝かせるとは! 全くケチだ! まるで豚扱いじゃないか!」

渋沢篤太夫「一体お主らは今の御国元を何と思っておられるのか? 俺ぁ喜望峰回りの帆船で帰らされようとするお主らを【以下中略】だとしたら俺は公儀のために嘆く! 大いに嘆くぞ! ここで嫌ならすぐさま出ていけ! 御国が戦というこの一大事に縦しんばどんな柔らけぇ床で寝たとしても臥薪嘗胆の心があって然るべきじぇねぇか!」

林董三郎「は、はい! 布団を敷こう! な!

 

ガチギレ篤太夫の権幕に気圧されて熊先生みたいな台詞を口走ってしまった後年の外務大臣・林董。男同士、密室、外泊、隣り合うオフトゥン、何も起きない筈もなく……という展開にはなりませんでしたが、帰るべき国を失った留学生同士の不安がスキンシップに発展する可能性を仄めかした場面にも思えました。思えない? ちなみに林董三郎は喜望峰経由の船旅を避ける帰路を手配してもらったのに篤太夫に毒づいたバチが当たったのか、帰国早々に身を投じた榎本艦隊でトンデモない規模の嵐に巻き込まれて滅茶苦茶苦しんだそうです。今週は幕府の瓦解や慶喜の逃亡や平九郎の戦死といった数多のバッドニュースに見舞われた篤太夫ですが、董三郎が軽口に相応しい報いを受けたと知ったら、多少は溜飲が下がったかも知れません。

さて、先週のパリ視点と今週の日本帰国後に聞かされる伝聞形式という2話でワンセットと思われる『青天を衝け』の御一新でしたが、結論として圧倒的説明不足感は否めませんでした。次回、篤太夫が慶喜の元を訪れた際に当時の心境が描かれるのかも知れませんが、少なくとも表面的な事実としての大阪城脱出はキチンとやって貰わないと困ります。前回のパリ視点の御一新が終わった段階で慶喜の逃亡劇の顛末はちゃんとやらないと真田丸の関ヶ原みたいになるとの危惧を抱いていましたが、残念なことに的中してしまいました。ストーリーの大事な箇所をブツ切りにされた印象ですね。ここは大きな減点材料。篤太夫視点では平九郎の戦死も重要事項に違いないとはいえ、基本的に幕臣視点の幕末大河である以上、身内の不幸よりも主君の動向の優先順位を高くして貰わないとなぁ。先述のように来週辺りに本人の口から語らせる可能性もありますが、前回のパリで受けた手紙の文章を借りると、

 

渋沢篤太夫「上様が(全軍に黙って)大阪を立ち退き、開陽丸に(乗り逃げし)て江戸に戻られた」

 

括弧の部分は今週やらないともう描く尺も意味もないのですよ。来週か、或いは史実通りに後年の栄一が慶喜の回顧録を編纂するシーンで当時の心情を吐露する場面があるとは思いますが、取り敢えずは当時の人々の目に慶喜の言動が如何に映ったかを描かないと、のちのちの『あの時の慶喜は実はこんなことを考えていた』というエクスキューズも面白味に欠けるのではないでしょうか。中の人ネタでも軍艦を乗り逃げした側とされた側の奇跡の共演も面白そうだったのに。殊に弘道館戦争とかいう維新政府に対する水戸藩の影響力を絶った最大級の内紛をスルーしている訳ですから、そのバランスを取る意味でも慶喜のほうはキチンとやって欲しかった。この辺、上半期ベストの記事でも述べたように本作は尊王攘夷思想のうち、攘夷のほうはいい塩梅に総括出来ているのですが、尊王のほうは等閑にしてきたのが響いていると思います。幕末の日本で朝敵になるのが如何に恐ろしいことか&それを現代人に判るように描くことの難しさですかね。

そんな訳で江戸に戻った慶喜が篤姫や和宮に塩対応されるシーンも、上記の描写不足も相俟って上白石萌音にボロクソに貶される御褒美系羞恥プレイに見えた本作。パラリンピック明けの明治編での挽回を期待します。

 

次の話題はこれ。

 

 

 

世界的猖獗から一年半が経過した新型コロナウィルス騒動。ノンポリを標榜する割に時事ネタにはダボハゼのように見境なく噛みつくことに定評がある拙ブログでは珍しく、基本的にノータッチの姿勢を貫いてきました。理由は以前も述べたように直接的に人命に関わる事案に素人目線でいっちょ噛みすると自他共に危険を招く可能性が高いと判断したためですが、2021年8月現在、事態の終息は遠いものの、解決に至る手段はハッキリとしてきたので、現時点での私の考えをまとめておくのも悪くはないでしょう。結局はワクチンや特効薬の開発と普及が遠回りのようで一番の近道という、これも当時の記事で予想した通りのルートを辿りそうですね。PCR検査も給付金も緊急事態宣言もオリンピック開催の可否も、そのための時間稼ぎであるにも拘わらず、それらが恰も解決策であるかのように声高に唱える連中の所為で随分と遠回りをした……というか、現在も迷走していると思いますが、余程の非科学的なシロモノでないかぎり、基本的に他人様のコロナ対応にドーダコーダいうつもりは毛頭ありません。理由は私がコロナ禍で最も痛感したのが、

 

多様性を尊ぶことの重要性

 

であったからです。つい二年前までは会社の飲み会を断ると『そんなことでは世間は渡っていけない』と説教され(実体験)、断り切れずに参加せざるを得なかった地域コミュニティの会合で黙食していると根暗と罵られ(実体験)、休日は家から一歩も出掛けないと無趣味と嘲笑われる(実体験)ことも少なくない世の中でしたが、今はプライベートでナチュラルにステイホームを実践出来るライフスタイルが感染拡大の抑止に少なからず貢献している訳で、そうした価値観が社会に存在していなければ、人類の総人口は更に変化していたでしょう。出来るだけ相手を傷つけない範囲で異なる価値観の共存が許される社会が、最終的に人類という種の命脈を永らえさせるってことがはっきりわかんだね。何が契機で価値観の逆転が起こるか判らないのが人の世の常。先日、某海外ドラマのタイトルと同じ肩書を持つ人物の発言が物議を醸しましたが、要するにたかだか数十年スパンの社会適応力&貢献度で人間を選別する集団的優性学や選民思想はクソだと改めて証明されたのは、コロナ禍の貴重な教訓であると思い至った次第です。

 

最後はこれ。

 

 

 

開闢1270年目にして初めて、生中継の許可が下りた東大寺門外不出の伝統儀式。今までの放送分はゲスト文化人のコメントとか参加者のインタビューとか学術的見地による解説とか、確かにありがたくはあるものの、一番見たいのはそこじゃあないというか、純粋に儀式の映像をじっくり知りたいというか、厚底ブーツのヒールの上から足裏の水虫を掻く構成の番組が続いていましたが、お水取り四部作の最終作と銘打たれた本作は最小限度のナレーションとテロップ以外は二月堂でのイニシエーションの映像がシンプルに流される素晴らしい内容でした。こういうのでいいんだよ、こういうので。『究極のヒーリングコンテンツ』という番組の煽り文句は伊達じゃない。深夜に部屋の照明を落として鑑賞しているうちに適度のトランス&リラックスで自然とあぁ~いい塩梅だぁ~という独言が漏れてしまい、拙ブログでも度々登場している友人Y氏から学生時代に聞かされた、

 

仏教=ロックンロール説

 

を思い出してしまいました。本邦仏教諸派とロックから派生したミュージックジャンルを比較したY氏の話は面白かったなぁ、本人は忘れていると思うけれども。嘗ての仏教には戦国時代の浄土真宗を引き合いに出すまでもなく、前世紀のロックのように大衆を陶酔させるパワーがあった訳で、それも含めて今回の放送を見直すと修二会にはライブコンサートを成功させるのに必要な要素が全部詰まっているのが判るのよ。一人の声明に全員が唱和することによる場の一体感。敢えて音程やリズムを外すことで生まれるライブ感。見ているほうにも痛みが伝わる五体投地の迫力はデスメタルの『観客が引くレベルのステージパフォーマンス』でグワッと心を捉える手法に通じるものがあります。そして、音と光の効果的演出。流石に映像では伝わりませんが、現場には匂いという臭覚に訴える要素もある筈で、参加者を陶酔に誘うギミックが綺羅星の如く仕掛けられている訳ですよ。事実、修二会にインスピレーションを得た音楽家は枚挙に暇がありません。ライブがイマイチ盛りあがらないと悩んでいるバンドは修二会を見るべき(暴論)。無理を承知で敢えて要望をつけ加えるとしたら、まっさん経由で修二会を知った身としては過去帳で青衣の女人の名を呼ぶ場面も欲しかったです。コロナが収まったら実際に見に行きたい。取り敢えずは『竜とそばかすの姫』や『閃光のハサウェイ』と並ぶ下半期ベストの最有力候補。

 

尚、来週は一回目のワクチン接種のため、更新は微妙。『青天を衝け』の放送枠もパラリンピックに入るので、特に話題がない場合は軽目の企画か、お休みを頂こうと思います、悪しからず。またキンキン家康画像の出番かな。企画は一応、大河関係の予定です。

 

 

 

 

 


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