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『おんな城主直虎』第四十七回『決戦は高天神』超々簡易感想(ネタバレ有)

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奥山六左衛門「嗚呼、御立派になられて……(´;ω;`)ブワッ

中野直之「小便垂れておったのにのぅ(・∀・)ニヤニヤ

井伊万千代「」

 

やめて下さい! 近くに戦場でウコを漏らした総大将もいるんですよ!

 

悪気なく徳川家の地雷を踏み抜いた中野ジュニアと六左の凸凹コンビ。勿論、神君脱糞ネタは巷説の域を出ませんが、本作ではガッツリと描かれていたので、申し開きの余地はありません。二人の会話が家康の耳に入ったら、万千代の進退に影響を及ぼす可能性大です。六左衛門は兎も角、中野ジュニアは本作では比較的マトモな人間に属していた印象がありましたが、やはり、おとわがアレ過ぎる所為で相対的に常識人に見えていただけのようです。

 

さて、主に職場で色々とありまして、現在、今年一番の体調不良。来月中盤の或るイベントまでに快復しなければいけないので、今回は何時も以上に短目の超々簡易記事で御勘弁下さい。それでも、本編の出来がイマイチで、なかなか筆が進まない……いやね、万千代にせよ、家康にせよ、現時点において、泰平の世を目指して王道の戦を歩もうとするのは流石にムリがあると思うのよ。更にいうと史実の万千代や家康も、おとわが願うように戦を厭う人間になった訳でもありません。実際、家康は大坂の陣で今回のノッブに匹敵する恫喝外交で豊臣家を滅亡に追い込んでいるのですから、ここでノッブの強権的な姿勢を否定的に描くのは、大坂の陣を待たずに病没した万千代は兎も角、家康には壮大なブーメランになるのではないでしょうか。或いは本作ではその時代まで描かないからセーフという意見もあるかもですが、それは歴史上の人物を題材にする以上、通らない理屈だと思います。史実の逆算脚本も考えモノですが、全く逆算しない脚本も興醒めというもの。

その一方で、

 

おとわ「出来ませんでしょう、織田に天下布武……天下より戦をなくすことなど。私は織田のことを何も知りませんが、何の落ち度もない者の首を卑劣極まりないやり方で落とさせる男でございましょう? 愛しき者を奪われ、誇りを奪われた者たちが、果たして従い続けようと思うものでしょうか? 織田の布武というのはまことの天下布武とはならぬように、私には……」

 

という逆算台詞もあって、どっち方面に物語を持っていきたいのかが判らなかった。まぁ、この辺は本能寺の変を如何に描くかで意味合いが変わってくるでしょうけれども、取り敢えず、よく知らないことでしたら、黙っていればいいんじゃないですかね……というか、織田と徳川の力関係を弁えていない人間が、家康の側近である万千代の動向に口出ししてきたのか。これは大変なことやと思うよ。

先回の瀬名殿に死んで欲しくないという台詞は、おとわが様々な人々の死を乗り越えて来た積み重ねがあったので、相応の説得力を持ちました。しかし、今回の織田批判は頂けなかったですね。これはおとわに信長の政略戦略を否定するレベルの経験や実績がなかったからでしょう。いや、そんなのがあったら、それはそれで大変ですけれども、流石に『織田の天下が長続きするとは思えない』という安国寺恵瓊クラスの予言はやり過ぎ。『斯様に苛烈で無慈悲な人間が天下を取ったら世は如何なるものになるのでしょう』くらいに留めておくべきでした。今回は色々と弁明の余地なし。次回のサブタイがマトモに見えるくらいでした。それは流石にアカンやろ。今回も高天神城で決戦していなかったからなぁ。

残りは雑感。

 

 

1.万千代「腹を割って話そう」

 

酒井忠次「石川殿、御二人を助けられなんだこと、恥じておられることかと思う……じゃが、わしも生き恥じゃ。これからは共に恥を背負っていってはくれぬか?」

石川数正(現時点では)はい」

 

家康が万千代の助言に従い、家臣団と腹を割って話したことで、岡崎派の数正のワダカマリが解けた場面……といいたいところですが、昨年の『真田丸』で描かれたように、のちに数正がFA宣言することを思うと、何ともいえない気分にさせられます。まぁ、その場の勢いで和解しても、何らかのシコリは残るからねぇ。尤も、数正FA宣言~豊臣家移籍~徳川軍情報漏洩の危機~軍制改革の必要性~甲州流軍学の採用~井伊の赤備え誕生という流れを思うと、この場面は何気に重要であったと思うので、もうちょい掘り下げてくれると嬉しかったかも。

 

 

2.そう(無関心

 

奥山六左衛門「実は戦に出ることになりまして」

おとわ「またか」

 

明日に出陣を控えているというのに全く心配されない六左衛門カワイソス。おとわの『またか』という返事のテンションの低さにジワジワきました。『戦に出る』を『明日から残業』に入れ替えてもおかしくないレベルです。何故か井伊家は戦の最前線に出ないことを前提に話が進んでいるように見えてしまう。おとわには桶狭間の戦いで一族郎党の大半を失った経験があるのですから、その辺の気遣いが欲しいところ。

そんなおとわの気のないリアクションにも拘わらず、敵の間者を捕らえる功績をあげた井伊家凸凹コンビ。二人の会話に高瀬の名前があがった段階で察しでしたが、それでも、手柄には違いありません。間者を追い詰める中野ジュニアは何気にカッコよかった。

 

 

3.瓜田で冠を正す

 

井伊万千代「武田の者たちは如何なさるおつもりにございます?」

徳川家康「徳川が丸抱えをする」

井伊万千代「丸抱え? しかし、それは身中に虫を飼うことかと」

 

今回はノッブの横車で立ち消えとなった武田家臣吸収計画。のちの赤備えの布石となる展開でしょう。作品が終わったあとの展開を踏まえての描写という観点では重要な場面であったと思います。ただし、ここまでの内容との整合性では些か疑問の余地あり。そもそも、本作の信康事件は武田の内通者を家康の身辺に近づけてしまったことに原因の一端がある以上、徒に武田勢を優遇する措置は、ノッブに新たなる疑念と容喙の口実を与えかねないのではないでしょうか。勿論、ノッブの高天神城NADEGIRI命令と、のちの家康による武田遺臣の丸抱えは共に史実であり、その描写自体には問題ないのですが、史実と史実を繋げるフィクションの部分の嚙み合わせに齟齬がある。この場面での家康は信長の信頼を勝ち取るべく、必要以上に厳しく武田に接するように描くのが自然な流れに思いますが……これは私の考え過ぎかなぁ。

 

 


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