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『修羅の刻・昭和編スタート直前特集!』感想(ネタバレ有)

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確か、先月号の予告では、

「次号では山田さんと羽生社長の会話を振り返りながら、『昭和編』スタート直前特集を掲載します!」

となっていた筈なのに、蓋を開けてみると、

「山田さんの発言を中心に探っていくぞ!」

になっていました。先月の俺の期待と興奮を返せ。内容も最終回&姜子牙戦決着回のあとで山田さんが語ってくれた話以上のものはなかったので、ちょっと期待外れの企画。これでしたら、あまりにも濃厚過ぎて手に余った先月号のインタビューを前編・後編に分けて掲載してくれたほうが嬉しかったかも。感想記事のネタにも困らないし。それでも、来月から始まる『修羅の刻・昭和編』の注目点をオサライするのも悪くないので、掲載されていたキーワードに対する私なりの解釈や感想を述べていきましょう。

1.不破現 陸奥静流 ケンシン・マエダ

本誌掲載分でも『不破』と『陸奥』の文字が薄く印刷されているのがミソ。単行本版の『修羅の刻・西部編』での陸奥雷と同じ扱いですね。陸奥の家に生まれたけれども、陸奥じゃないのが雷でした。山田さんが不破を継がなかったのは、甥の北斗という後継者が生まれた以外に、心の中に『修羅』を棲まわせていなかったから。雷の場合は出海という兄がいた他に、彼自身が人殺しの技を使いたくなかったという理由。意外と似た者同士かも知れません。少なくとも置かれた境遇は似通っていますね。まぁ、山田さんは『修羅』を棲まわせてはいないものの、人殺しの業を用いることに何の躊躇いもないのは、呂家での一件を見れば一目瞭然なので、完全に同じタイプの人間とは呼べないかもですが。
それにしても、不破現と陸奥静流。この両名は共に『陸奥』にも『不破』にもなれなかった者同士ですが、その間に生まれたのが圓明流最高の天才・冬弥と、圓明流最強の修羅・九十九というのが何とも意外な話です。競馬でいう奇跡の血量に該当したのかも知れません。そうなると、陸奥と不破は山田さんと静流さんの三~四世代前でも血統上の交流があったのではないでしょうか。

2.あいつの遺伝子上の父は、僕です

昨年、最も衝撃的な台詞として名高い山田さんのカミングアウトが第2のキーワード。先回の記事でも述べたように今でも納得しきれていないのですが、他の誰でもない作者の設定なので仕方ありません。でも、これも何度か書いてきたように、川原センセが何といおうと、当初からの設定ではなく、長期休載の間の心境の変化だと思っています。九十九と一体になって戦うのではなく、九十九を生み出した人間の視点として物語をプロデュースするスタンスへの変化があったのではないかと。ケンシン・マエダが父親の場合、彼を死なせてしまうと、九十九は兄殺しだけではなく、父殺しという罪を背負わなくてはいけなくなりますが、川原センセとしては、それはあまりにも九十九に酷だと思えてきたゆえの、設定変更ではないかと推察する次第。
しかし、今更蒸し返しても誰が得をする話でもないことを、わざわざキーワードに選出したことに何らかの作為を感じてしまいます。ひょっとしたら、九十九が自分の子供だと思っているのは山田さんと真玄だけで、本当はケンシン・マエダの子供かも知れません。真実は静流さんのみぞ知る。所詮、男は『自分が愛した女の生んだ子供が自分の子供と信じることで幸せになれる生き物』(byロイエンタール)ですからね。冬弥と九十九の生誕に喜ぶ男たちの陰で、凛子さんや羽生社長のようにペロリと舌を出す静流さん……アリだと思います。

3.マエダにも出会ってしまった

山田さん、静流さん、ケンシン・マエダの青春賦がメインテーマらしい『修羅の刻・昭和編』ですが、格闘シーンが必須である以上、山田さんとケンシン・マエダのバトルは必ず描かれるでしょう。予想としては出会いっぱなに軽く一戦、物語のラストで本格的な死闘という流れが王道かと。勝敗予想はケンシン・マエダの勝ち。山田さんは不破じゃないので、負けても問題ありませんし、何より、九十九が記憶を取り戻した時の『アイツはケンシン・マエダに勝っていたのか』という驚きのリアクションは、自らが敗れていたと考えると筋が通ります。ただし、明確な勝ちというよりも、ケンシン・マエダが優勢のうちに静流さんが止めに入るという流れが一番穏当でしょうね。そうした借りの意識ゆえか、山田さんは若い頃のケンシン・マエダを肌寒い三月だというのに半袖のシャツを着た若僧と評していましたが、同じコマに描かれたアナタの服装も大概だと思います。
あと、両名の出会いの契機も気になりますね。如何に山田さんが変な奴に(これも自分を差し置いてよく言うわ)引っ掛かってしまうギャルゲー体質の人間とはいえ、確率的には非常に難しい邂逅の筈。不破が歴史の影で暗殺を生業にしていたという設定を考えると、山田さんは標的の下調べの最中に、用心棒として雇われていたケンシン・マエダと出会ったという流れになるのではないでしょうか。

4.静流さんは息災か

『陸奥越え』を目標にしている以上、種馬の役目が山田さんに振られてしまうのは自然の流れとはいえ(まぁ、某オーガのように自分の息子を強敵として育成するという発想もあります)、ケンシン・マエダも静流さんにベタ惚れであった模様。静流さん、メチャモテです。圓明流の家系は男女を問わず、異性の関心を惹かずにはいられないのかも知れません。この辺、見るからに悪人ヅラに生まれついた北斗はあらゆる意味で例外であったのでしょう。あんなイレギュラー極まる子供が生まれたら、幻斎も『陸奥越えイケるかも』と考えちゃうのも無理はありませんね。
ちなみにケンシン・マエダが静流さんに服を作って貰ったという話は、真玄の年齢に失望したケンシン・マエダが暴言を吐き、静流さんが女だてらに掴みかかった拍子に敗れた服を繕ったという流れに一票。でも、第壱門最終回で『元陸奥に用はない』と吐き捨てたケンシン・マエダが来ていた服は明らかに陸奥仕様なので、時系列がどうなっているのか気になります。

5.なりゆきで陸奥真玄に会わせてしまった

この辺は完全に予測不能領域。しかし、本編の一番肝になる要素でしょう。この頃、山田さんは既に静流さんと面識があり、完全にベタ惚れ状態であったものの、陸奥と不破の確執の手前、軽々に会いにいけなかったので、陸奥と戦いたいというケンシン・マエダの申し出をダシに真玄と静流さんの元に案内した……というのが私の予想ですが、幾ら何でもベタ過ぎますね、反省。

6.種馬的な役

陸奥には静流さんしかいなかったということで、次代の陸奥を生むための種馬としての役割を振られたのが山田さんですが、これ、振った人間が誰かというのが重要かも知れませんね。勿論、本編で描かれていたように真玄が頼んだのは間違いないでしょう。恐らくはケンシン・マエダの強さに戦慄した真玄は『陸奥』の血だけでは勝てないと踏んだのかも知れません。それゆえに『不破』の出である山田さんに種馬を頼んだのではないでしょうか。これが最も考えられるパターン。
あと、ケンシン・マエダも山田さんに種馬の役割を振った一人かも知れません。山田さんと拳を交えたケンシン・マエダが『コイツの子供なら、最強の陸奥が生まれる』との確信を抱き、自分の恋心を押し隠して、静流さんを託したという展開。これは泣けるぜ。まぁ、次で述べるように『その子供を自分の手で殺すかもよ』とかいっちゃう辺り、やはり、コイツも尋常な人間じゃありませんが。

7.オレはあなたの子を殺すかもしれん

上記のように、こんな台詞を真顔で口にしちゃう点で、ケンシン・マエダは大概な男ですが、それに笑顔で『はい』と答えちゃう辺り、静流さんも尋常な女性ではありません。静といい、葉月といい、陸奥の女性は皆、こうなのでしょうか。葉月は『私は女だからではなく、弱いから陸奥を名乗れない』と述べていましたが、もしかすると、歴代の男性陸奥に劣らない力量を持った女性の現役陸奥が存在した可能性もあります。これはこれで見てみたい。『源義家編』『真玄・徹心編』とまだまだネタの尽きない『刻』ですが、是非、お願いします。
さて、次代の陸奥のブリードが完結するのを待つ身となったケンシン・マエダですが、彼がグラシエーロ柔術に戻ることなく、自らの身の置き所を戦場に求めたというのは、作者の抗争上の都合とはいえ、不思議な選択ではありますな。ひょっとすると、これも山田さんとの戦いの影響かも知れません。心の中に『修羅』を棲まわせていない山田さんですが、山田キックのように繰り出す技が読まれにくいというジョブ特性を有している。勿論、所詮は小手先足先の技なので、倒されはしなかったものの、ホンモノの陸奥が相手の時に『これ』を回避できなくては意味がない(実際、海堂はそれでやられましたし)と考えたケンシン・マエダは戦闘の勘を磨くために戦場に出たのではないでしょうか。つまり、ケンシン・マエダ戦でも山田キックが炸裂した可能性大。このシーンはちょっと見てみたいです。まぁ、山田キックへの対策は万全であったかも知れないケンシン・マエダも『立っていなければ四門は使えない』という壮絶な勘違いで敗れちゃうんですけれども。

冒頭で『ちょっと期待外れ』と書いた今回の企画ですが、それでも、記事そのものは意外と長文になってしまい、自分でも吃驚しております。それほどに『修羅の刻・昭和編』への私の期待は大きいのでしょう。来月号より連載開始の本編、今から楽しみです!あ、あとゲストキャラとしては館長と巌師範と凛子さん辺りが出てくれるんじゃないかと予想します。年代的に近いですし。まぁ、年代的という点では徳光支部長もいますが、俺得以外に需要なさそうなので、こちらは期待しないで待っています。

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