まずは連絡事項から。
明日は大河ドラマ『ぼんくら』が選挙特番でお休みなので、毎週恒例の実況はありません。地上波に先行して放送されているBS枠では大河ドラマ『ぼんくら』トーク&コンサートが放送されるそうですが、絶対に見ることはありませんし、感想を書くこともないでしょう。でも、ひょっとしたら、本編よりは面白いかも知れません。大河ドラマ『ぼんくら』は出来不出来は兎も角、退屈さという点では前人未到・空前絶後の作品なので、普通にテーマ曲を聞いていたほうが楽しい可能性大。
選挙に関しては従来通り、期日前投票を済ませてきましたし、明日は年末の事務仕事の他にやることもないので、今夜はのんびりと『独眼竜政宗』の感想を書くつもりでいたのですが、ふと窓の外を見ると
雪国育ちの私でも小便チビりそうな勢いで白い悪魔が降り積もっている
という状態。これ、明日の投票率は大丈夫なんでしょうか。まぁ、先進国を自称する共同体で投票率が異様に高いというのもゾッとしない話ですが、関ヶ原で二十万もの人々による生命の遣り取りで漸く政権の首班が決定する本作の時代の過酷さを思うと、今日は何だかんだで恵まれていると思います。先人が血と汗を流して獲得した権利をドブに捨てるようなマネは慎みましょう。ともあれ、明日も早朝から白い悪魔との格闘が控えているので、今夜も簡易感想です。感想というよりも、突っ込みメインの内容になりますので、御了承下さい。
1.珍しい
和賀忠親に命じて南部領で一揆を扇動させるマー君。言うまでもなく、南部は共に家康の傘下にある同盟者の筈ですが、その家康が関ヶ原で敗れては元も子もない、広げられる領土は広げておけというのがマー君の発想。間違ってはないにせよ、何で同盟者の領地に目が向いてしまうのか。やることなすことがいちいち大人気ない。しかも、今回は珍しく、小十郎が焚きつけるという流れ。この段階で伊達家は既にブレーキの壊れたダンプカー状態といえるでしょう。或いは小十郎は伊達家のブレーキ役のように見えて、実はギア役なのかも知れません。意外と自重を促す場面は少なかったりします。
2.深慮遠謀
特に何かヤラカシタことはないにせよ、何かにつけて一言も二言も多く、絶妙に周囲をイラッとさせる戦国版&男版瀬尾結月ともいうべきキャラとして活躍(?)してきた国分盛重が、遂に政宗から追放を命じられてしまいます。盛重の追放……というか、正確には出奔なんですが、これは関ヶ原よりも早い段階の出来事なんですね。この時期は劇中でも描かれているように成実や綱元も出奔しているので、マー君の施政に対する家臣団の不満が鬱積していたのでしょう。作中で盛重が一人芝居をする件は勝新秀吉とは別の意味で俳優の魅力に溢れた名場面なのですが、何でこの時期に国分盛重の追放劇が描かれたかといえば、
政宗が千代=仙台に移る
からなのでしょう。千代は国分家の所領というのはナレーションでも語られていた通りなので、この辺、視聴者にはマー君が千代という新しい拠点を得るために盛重に難癖をつけて追放したように見えなくもない。特に具体的な説明がなく、一見すると今までの堪忍袋の緒が切れただけのように見えた盛重追放劇も、実はマー君の冷徹な計算に基く行動であったという描写じゃないかと思います。
3.男と女
殿方は何故、戦をするのかという愛姫の問い掛けに『それは男の業。御家の為に生命を捧げるのが誉とか女ではあり得ん』とバッサリと斬って捨てる寧々が怖い。その寧々に『その男を生むのは女です』と何気に厳しいことをいう愛姫が更に怖い。男が悪いの一言で全てを片づけてよいものかという愛姫の主張は共感度高いですね。『じゃあ、名君を育てるのが女の仕事ね』という寧々の返答も素晴らしい。相手が悪い、俺は悪くないという発想は理論としては正しくても、何ら生産性のある意見ではありません。自分の立場でできることをやってこそ、世間は動くのです。どこぞのぼんくらに聞かせてやりたい台詞。
一方の茶々は登場シーンでお化粧モード。これ、よく考えると意味深なシーン。茶々は寧々と同じ寡婦なので誰かのために過剰に身辺を飾る必要はないんです。それにも拘わらず、唇に紅までひく必要性とは何か。丁度、大野治長が関ヶ原の勝敗を伝えに来た場面から推察するに、本作の三成と茶々はタダならぬ関係にあったという設定なのでしょう。茶々としては三成の勝利を信じて疑わず、彼の凱旋を迎えるための化粧であったと考えると辻褄があいます。先週の『お○ぱい鷲掴み事件』もあったしね。
4.今週の鮭様
鮭様が自ら援軍の御礼に出向いてくれたにも拘わらず、
伊達政宗「ウチは百万石に加増だってよ。そういう伯父上はどうなの? まぁ、自分の旧領を守るのに精一杯じゃあ、家康の覚えも目出度くないよね。ザマァ&プゲラ」
なとど煽りに煽られた日には如何に温厚な鮭様でもキレて当然でしょう。そもそも、最上が守勢に回らざるを得なかったのは何処かの誰かさんが一揆を扇動した所為で南部が動くに動けず、上杉の攻勢を最上が一身に受けなければいけなくなったからです。マー君は大人気ない。更に成実に対して、
伊達政宗「見たか、伯父御の憔悴っぷり。家族を喪うというのは大変なことだ。おまえも再婚しろ」
と上から目線で話を進める始末。本当にマー君は大人気ない。大事なことなので二回言いました。そりゃあ、鮭様もマー君が裏で一揆を扇動していたことを家康にチクるってモンです。今回のマー君の失策は一揆を扇動したことではなく、優しい伯父御のプライドを傷つけたことでしょう。本編で家康が評していたように政宗は若い。若さとは他人の心に土足で入り込んで顧みないということです。
5.新たなる敵
上記の事件を取引材料に百万石の手形を空証文にしてしまう家康。圧倒的なバイオレンス臭で捻じ伏せにきた勝新秀吉に対してアメとムチの絶妙な使い分けが本作の家康の本領でしょう。そういえば、本作では秀忠も結構有能バージョンなんだよなぁ。政宗の苦難は始まったばかりです。まぁ、半分以上は自分の大人気ない野心と言動の所為なんですが。
余談ですが、今回は大野治長が初登場。榎木さんだったか。いや、すっかり忘れていました。ナベケンと榎木さんというと某大作映画の一件を思い出します。改めて、御両人が共演している本作を見ると感慨深いなぁ。家康役の津川さんも出演しておられたしね。ちなみに本作では恰も茶々の側近のような感じで登場しますが、治長は関ヶ原の戦いに東軍として参戦しているので、今回の描写は物語を判りやすくするためのフィクションでしょう。
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