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『相棒13』第8回『幸福の行方』簡易感想(ネタバレ有)

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橘亭青楽「え~、毎度馬鹿馬鹿しいお笑いを一席~」

落語のような枕で始まり、落語のように終わった今週の『相棒』。久米さんと小池さんの会話なんか熊つぁん八つぁんの遣り取りそのものじゃないですか。ミステリと落語って妙に相性いいんだよなぁ。『QED~証明終了~』でも頻繁に落語ネタ&落語形式で物語が紡がれるしね。青楽師匠も出所していておかしくない頃なので、師匠の語りで見たかった話でした。
今回の話は好き嫌いが分かれると思いますが、私は大好き。こういう罪もない(いや、実際は一人殺されているんですが)事件で右往左往する人々の群像劇というのは見ていて楽しい。犯人以外に特に下種がいるワケでもなく、それぞれがそれぞれの小市民的な小善と小利を追及した結果、更に事態がヤヤコシクなるという軽妙で御気楽な展開も落語そのもの。敢えて苦言を呈すると『相棒』でやる必要があるのかとの意見があるかも知れませんが、事態が二転三転する構造は落語も『相棒』も同じ。本作のように派手さはなくとも、きめ細やかな物語を手がけさせたら、太田愛さんの右に出る脚本家はいません。久々に難しいことを考えずに楽しめた回でした。
まぁ、その分、感想も短目。だって、

内容はゼロに等しかった

ですからね。そもそも、平君がマンシュウ当てたことを犯人は如何に知り得たかがよく判りませんでしたし、細かい点では色々と穴もありますが、今回は逆に穴というか、突っ込みどころを楽しんだほうが勝ち。久米の妄想の中で奥さんが被害者を殺す凶器に使ったのが麺うち棒とか『何でだよ!』と突っ込んだほうが断然面白い。居酒屋の一千万円ネタといい、全方位から突っ込んでくれという気概(?)に溢れていました。
特に久米を演じた矢崎滋さんは安定の面白さ。序盤は独り言をブツブツとつぶやく場面が板につき過ぎて、寧ろ、蛭子さんとかのほうがギャップの妙が出たんじゃないかと思いましたが、小池を演じた斉木さんとの掛け合いは矢崎さんでないとムリ。今回のゲスト出演者は矢崎さんと斉木さんの二枚看板と見たほうがいいかも。杉下が何やかやと理由をつけて、久米さんをしつこく嗅ぎまわる件も小市民的な矢崎さんの雰囲気にマッチしていました。杉下というよりも古畑任三郎を見ているようでしたね。平君が空けたガラス戸の穴を隠そうとする場面とか最高。でも、三谷さんの場合は、あの穴を巡る攻防で10分は費やしそう。それはそれでハラハラドキドキするかもですが、今回は新宿末廣亭テイストの下町ハートフルコメディが重要なので、それはお呼びじゃないのかも。
ここ1~2回、相手の裏を読んだり、ドロドロの対決劇であったりとよくも悪くも妙な緊張感があった『相棒』ですが、今夜は純粋に楽しむことが出来ました。11時からBSで放送中の『名探偵モンク』と連チャンで楽しむ予定なので、今夜はいい夢が見られそうです。

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