明日は『修羅の門第弐門』の感想を控えているので、今回は短目の記事になります。一応、今日のうちに読んではいますが、山田さんの口から衝撃の告白がありましたので、ちょいと本腰入れてかからないといけないのでね。今日は早目に寝て、明日の仕事終わりまで体力を温存せねば。
物語の出来はまぁまぁでした。途中までは単なる官製談合を暴くいつも通りの『相棒』かと思いきや、警察官僚が機密情報をうっかり置き忘れたのがそもそもの発端というのが意外。でも、最近、警察官が大事な備品を置き忘れたという事件もありましたので、このほうがタイムリーでリアリティがあるのかも。先回と同じように中盤以降の畳みかけが凄かったです。
ただし、杉下によるカイトへの悪影響が懸念される内容でもありました。先回と同様にウソとハッタリで犯人をハメて、自供に追い込むというのは杉下という絶対に恣意的な行動に走らない正義の権化であるからこそ、何とか許容できるのであって、凡人が真似していいものではありません。況や、警察官であれば猶更です。
日向貴文「騙したのか!」
杉下右京「少しは味わえたでしょうか……しかし、貴方に騙された名取さんの口惜しさは、こんなもんじゃなかったと思いますよッ!」
おまえがいうなとはまさにこのことですね。
まぁ、杉下はいつもの杉下なので、今更、何をかいわんやですが、カイトも一緒になって尻馬に乗っちゃっているのがなぁ。先回のは緊急避難ですと言われたばかりじゃないですか。神戸であれば、ちゃんと暴力団へのデータの流れを洗い出して、確固たる証拠を突きつけた筈です。カイトにはもっともっと杉下に反抗して欲しいんですよね。このまま、杉下色に染まっていくと、本当にロクな大人にならんぞ……と思ったら、次回予告で仲良く二人で逮捕されていました。いい加減、一度くらいは痛い目に遭わないと判らないようなので、いい薬になることを期待しています。
残りは雑感。
捜査一課久々のトリオ体制構築かと思った浅木真彩でしたが名前に数字が入っていない段階で単なるゲストキャラで終わるのが判ってしまったのが残念。下心があってのこととはいえ、特命係を巧みに利用しようとする辺り、イタミンとの橋渡し役としては適任に思えたのですがねぇ。それに、ああいう流れで警察を辞めちゃうのも些か勇み足というか。真に恩人の思いに応えようとするのであれば、石に齧りついてでも警察組織の中でノシあがっていかなければいかんのではないかと思います。
ちなみにカイト君が来る前の三代目相棒予想に女性という要素が欲しいと記事で書いたことがありましたが、浅木さんと杉下の絡みを見ると満更、間違っていなかったと思います。恋愛関係のない男女の師弟関係っていうのも新鮮じゃないですか。朱ちゃんの頃の常守監視官とか、杉下の相棒にピッタリじゃないかと。
そして、今回もう一人の主人公(?)が参事官。
中園照生「耐えろ~~! テルオ~~!」
と家族の写真を見ながら歯を食いしばる姿は、ある意味でアカデミー賞もの。普通、警視庁の参事官といえば、押しも押されぬキャリアのエリートの筈なのに、中園さんから滲み出る中間管理職の悲哀は何? そういえば、イタミン、芹沢君、三浦さん、米沢さん、ピルイーターといった面々は、それぞれを主役にしたエピソードが作られているのに、参事官はいまだにないんだよなぁ。刑事部長はアレな人なので弄りようがないのは判りますが、参事官が事件の主役になる回も見てみたいと思いましたよ。でも、角田課長が主役の回も未出なので、順番としては後回しか。
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『相棒13』第4回『第三の女』簡易感想(ネタバレ有)
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