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徒然日記 ~2021/10/25~

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今週は短めの時事ネタ&ドキュメンタリー感想を二つほど。毒気多めにつき、予めご用心下さいませ。『青天を衝け』は今週は個人的にビミョーな内容&総評記事で連日頭を使っているので、今回はお休み。最初の話題はこれ。

 

 

 

ここ数日ネットでホットな話題となっている漫画・アニメ・ゲームの表現規制問題。問題自体はブログ開設以前から深い関心を持ち、学生時代にはゼミ論を書いたこともある私ですが、今回の『波』にはイマイチ乗れないというのが正直な感想です。選挙を控えたデリケートな時期というのもありますが、基本的に当該問題に関しては現時点で規制派と話し合うことは何一つないからというのが一番の要因でしょう。議論に応じないという意味ではなく、9年前に書いた記事でも述べたようにボールはとっくの昔に規制派に投げ返してあるからです。即ち、

 

①二次元表現と現実の犯罪発生率の因果関係(≠相関関係)を立証する統計学的データ

②非実在キャラクターに現実の法律に準じた言動を強要するに足る理論的法解釈

 

を持って来いという規制反対派の最大公約数的意見への返答が未だになされていないのに、どこからどこまでの表現が健全か不健全かとか、非実在性少年の定義がうんたらかんたらとか、非実在児童ポノが現実の社会的観念に与える影響がどーたらこーたらとか論じたところで、それらの根本となるデータと論拠が存在しない以上、どんなに議論を重ねようと所詮は底の抜けたポリタンクにガソリンを注ぎ込むようなもの。徒労で危険な行為ですね。上記のデータと論拠が立証されて、初めて議論はスタートラインに立てる(ゴールではありません)のであり、それ以前の遣り取りで足元を掬われるのは御免蒙りたいもの。現在の情勢下で必要以上に深みにハマる危険のある議論をする気はありません&少なくとも選挙結果が出るまでは与野党のどちらがどうとか論ずるつもりもありません、悪しからず。そんな訳で現時点における私の表現規制問題に対するスタンスは、

 

 

です。次の話題はこれ。

 

 

 

陸奥九十九「どこの国だって似たようなもんさ。そこの国民が誇りに思っているものを、たとえ、それが正当にでも奪いにくるやつは好かれるはずはないさ。オレはあたりまえだと思っているよ」

 

本作を見た時、真っ先に頭に浮かんだのが上記の台詞。こういいながら人類史上最高のサインを返した九十九さんマジヒーローの鑑。でも、浮嶽はどう見てもバッティング気味の反則技ですよ。連載当時、日本の角界にはハワイ由来の黒船旋風が吹き荒れており、世間でも私の周囲でも『あれだけ身体がデカけりゃ何をしたって勝てる。彼らに日本の相撲は判らない』と宣う方々が数多くおられましたが、若き日の私は九十九の言葉を胸に沈黙を守ったものです。

爾来三十年余。現在の角界ではハワイどころか、ヨーロッパやモンゴルの颶風が当たり前のように吹く時代になりましたが、未だに外国人力士への攘夷熱を燃やす方々は少なくありませんね。まぁ、最終的には『好き嫌い』に問題なので個人の嗜好をドーダコーダいうつもりはありませんが、引退を知った我が家族の一人が『いなくなってセーセーした。調子が悪いとすぐに休むような奴は横綱の品格に欠ける』と御高説を垂れ流していたので、

 

横綱時代の荒磯親方に同じ批判をした者だけが白鵬に石を投げなさい

 

と返したら丸二日、口をきいてくれませんでした。正論は時に暴論よりも人を怒らせる。はっきりわかんだね。三日後、漸く機嫌を直した家族は『白鵬は朝青龍が引退するまでは優等生だったが、それ以降は変わった』などと弁明しておりましたが、二大エースの一人が引退 or 離脱した場合、残った一人がベビーフェイスからヒールターンすることで若手の台頭を促すと共に団体内部の対立構図を明確にするのは、天龍脱退後のジャンボ鶴田と超世代軍の事例を引くまでもなく、プロレス界では鉄板の危機回避ムーブメントであり、白鵬が意図的に優等生キャラを卒業して次世代の壁役に転じたとしたら、むしろ、そのセンスが凄いと思っていました。問題は新しいアングルに乗って来る次世代エース(就中、日本人力士)が遂に現れず、引退の瞬間まで白鵬一強時代を崩せなかった側にある訳でヒールエースに頼り切りの団体は早晩行き詰まるという点でもプロレスと軌を一にしているといえるでしょう。要するに白鵬に何等かの非があるとしても、それ以上に土俵では彼に満足に土をつけられなかった他の力士が、土俵の外では一横綱の言動を制御し得なかった協会が不甲斐なかった、の一言に尽きる話ですね。

ただ、当該番組を見るに本人的にはヒールを演じていた(?)訳ではなく、自身の立ち位置には相当葛藤があった模様。そりゃあ、自分が負けたら観客席から万歳が起こるなんて、出身や立場に拘わらず一人のアスリートとして心が折れるに決まっていますよね。或る人気ゴルファーが自分の対戦相手がミスパットした時に観客から拍手が起きたことに『非常に悲しい』と不快感を示したことがありましたが、それに近いものがあります。白鵬を巡るあれこれって根本的には移民労働者問題なんだよなぁ。人手不足の職種が海外からの労働者を雇っておきながら、彼らが在来者以上に組織に貢献しても満足にケアせず、無責任な外野の排外的な言動に乗っかって身内に甘く、彼らに厳しく当たる。歴史を見渡せば幾らでも悪例がある話ですね。

御本人は日本で親方業に専心したいとのことですが、個人的には引退式で表立って自分を捻じ伏せられないからと陰に陽にバッシングを加えて来た関係者&マスコミ&同業者に向かって、

 

「お前らは俺がいなくなった土俵で歴代二位争いでもしてればいいよ!」

 

と叫んでくれたら雷電以上の伝説になると密かに期待しています。

 

 

 

 

 


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