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徒然日記 ~2018/10/09~

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御存知のように今週の『西郷どん』は台風報道による順延のため、先週BSで先行放送された『江戸無血開城』と同じ回でした。流石に同じ回の感想を二度書く気にはなりませんが、昨晩、ツイッターで二度目の録画実況を行ったところ、初回視聴では気づかなかったツッコミどころがボロボロ出てきて、思っていた以上に白熱した内容になったものです。

 

炎尾燃「本当にいいものは一度ではわからないものなんだよ!」

 

といいますが、逆に本当に悪いものも一度では判らないのですね。よっしゃ! こうなったら、土曜日の再々放送も録画実況したろ!(嘘です、勘弁して下さい)

そんな訳で今週は『西郷どん』の感想ではなく、久しぶりの徒然日記。オフ会とか年末業務とか大河総評とか下半期ベスト10とかのスケジュールを思うと、今年最後の徒然日記になる可能性も否定出来ません。まぁ、そんなことをいいつつも、来週の『西郷どん』のクオリティ次第では感想書く気なくなって、素知らぬ顔で日記にするかもですが。今回の話題は2つ。

 

 

1.ボバン「サッカーを戦争だと言う者は本当の戦争を知らない」

 

小松原道太郎(一八八六~一九四〇)

旧日本陸軍の中将で、この夏、NHKで放送された『ノモンハン~責任なき戦場~』にも登場していたので、御存知の方もおられると思います。番組で紹介されていたように、二十倍のソ連兵相手に五日間も戦線を維持しつつも、甚大な損害と補給の途絶のためにフイ高地を放棄した前線指揮官に敗戦の責任をおっ被せるため、軍法会議に拠らず、組織の圧力で自決に追い込み、遺族には『俺は止めたけどね』とのうのうと宣い、自身は予備役への編入で生命を永らえるという一周回ってもムカッとするレベルの胸糞エピソードの持主です。近年の研究ではソ連のハニトラにひっかかって、日本軍の情報をボロボロ漏らしていたとか、むしろ、積極的にソ連側のスパイ活動に従事していたとかいう説が出ているそうですが、何れが真実であっても、戦死者や遺族の慰めにならないのは確かでしょう。

この小松原閣下のことは番組放送以前、それも、前世紀から存じておりまして、

 

 

今から二十年前に発刊された司馬さんのエッセイに彼の逸話が記されています。ノモンハン事件の終盤、圧倒的劣勢に立たされた日本軍の本営に居た軍医長が小松原閣下の、

 

「もうこれはどうしようもない。しかしながら、日本の兵隊さんは強いと聞いているから、なんとかなるだろう」

 

という呟きを耳にしていたそうです。事実としたら、一軍の指揮官の言葉とも思えないシュールな発言ですが、これを日本軍の無責任体質と捉えるのは少し違うと思います。小松原閣下は日露戦争直後に士官学校を卒業した『戦後世代』です。日露戦争の終結が一九〇五年。ノモンハン事件が一九三八年。要するに日本の兵隊さんは強いという思想と共に軍歴を重ねてきた訳ですね。つまり、

 

どんなに荒唐無稽な話でも四半世紀も繰り返すと唱え始めた側に信じる人間が出るようになる

 

という典型事案ではないかと私は解釈しております。小松原閣下は無責任人間でも、ソ連のスパイでもなく、ガチンコで『日本の兵隊さんは強い』という思想をベースに戦略戦術を構築していたのかも知れません。勿論、これもこれで何の慰めにもならない話ですが。

尤も、最近は四半世紀どころか十年に満たない、しかも、政治家でも軍人でもない一スポーツ選手の発言に端を発した問題が国家間の軍事・外交に多大な影響を及ぼしているようですね。時代の潮流が加速しているのを感じますが、これが契機で最悪の事態に発展した時、後世の世界史の教科書は事件の発端を如何に語り継ぐのか、些か意地の悪い興味があります。願わくば、百年後の子供たちが、

 

「そんな漫画みたいな話は信じられない。だから、歴史の授業は苦手だ」

 

と勉強を嫌がらないで欲しいものです。まぁ、近現代史にもディナモ・ザグレブVSレッドスター・ベオグラードという悪しき先例もあるので、まるきり荒唐無稽な話として認識されることはないとは思いますが。

 

 

2.アニメ『アンゴルモア ~元寇合戦記~』感想(辛口&ネタバレ注意!)

 

二〇一八年夏の覇権アニメは問答無用で『あそびあそばせ』を推す私ですが、純粋なナンセンスギャグ作品の感想なんか書ける訳もないので、理由の是非は別として、最終回が最も印象に残った『アンゴルモア』の感想でも書いてみようかと思います。かなり辛目の内容になるので御注意下さい。尚、原作漫画は未見。あくまでもアニメ限定の感想です。

まず、最終回を見た直後は、

 

「コクがなく、ただ後味辛い」

 

というピストル大泉のエビチリをお見舞いされた気分になりました。いや、食べたことはないけれどもね。何せ、登場人物の殆どがボッコンボッコン死んでゆく割に、誰の死も悲しめなかったのよ。各キャラクターの掘り下げが圧倒的に不足していたのは否めません。勿論、対馬の敗北は史実として揺るがないものとはいえ、あれじゃあ、銀英伝のアムリッツァ会戦でヒューベリオンが撃沈されて、シェーンコップやポプランやムライやパトリチェフが何の見せ場もなく退場するようなものです。戦死した連中を登場させる必要性が全く感じられなかった。以前の感想で述べた主人公の『強さの秘密』と『戦う理由』も描かれないままでしたし……アニメ的にも合戦シーンがメインになるに従って、画のぷるんぷるんさが半端なかったなぁ。このストーリーをアニメとして成立させるのに必要な時間、技術、労力の全てが足りていなかったというのが正直な感想です。

ただ、こうしたジャンルの作品は今後も製作して欲しいという思いはあります。結局、実際に作らないと技術は蓄積されませんし、大河ドラマやテレ東の年末年始時代劇じゃあるまいし、毎年毎年飽きもせず、戦国と幕末をループしていては幾ら耕そうとも土地は痩せ細る一方。技術の蓄積とジャンルの開拓という意味で、今までアニメで取りあげられることのなかった時代や分野を題材とする作品はやめて欲しくない。それこそ、原作は一段落したという話も耳にしましたから、ハガレンのようにリトライのチャンスを……と思いますが、グッズ展開の難しそうな作品なので、純粋に円盤が売れないとダメだろうなぁ。

 

尚、先述の『あそびあそばせ』と『信長の忍び~姉川・石山編~』が完結して、漸く深夜のCMカット作業&DVD焼きが一段落する……と思っていたら、

 

『ジョジョの奇妙な冒険 ~黄金の風~』

『SAO アリシゼーション編』

『SSSS GRIDMAN』

『色づく世界の明日から』

 

とクロマティ高校のゴリラのように増加の一途を辿る録画作品の数々……俺の(DVDデッキの)腹ン中パンパンだぜ。『ジョジョ』と『SAO』の鉄板二作品に『SSSS GRIDMAN』と『色づく世界の明日から』がどこまで食い込めるか楽しみでもあり、CMカット&DVD焼きの手間を思うとシンドくもあり。後者二作品は純粋に映像や緩急の演出のつけ方が巧いんよ。ただ、序盤から作画・動画でトバし過ぎな気もするので、息切れしないか心配。

 

 

 

 

 

 

 


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