『Literacy bar』は開設から八周年を迎えました。
皆様の日頃の御愛顧に篤く御礼申しあげます。
現在の心境をアリテイに申しますと、八年もブログが続いたこと以上に@二年で十年に手が届くことに我ながら、驚きを禁じ得ません。再来年の大河ドラマは『麒麟が来る』なので、何とか十年目までは頑張りたい。逆にいうと『麒麟が来る』がポシャった時はブログの存続自体を見つめ直す契機かとも考えております。
それにしても、八年前というと『修羅の門第弐門』の連載が開始されて、劇場版で官房長が殉職して、半年に一度のペースで『ガンダムUC』が発売されると信じ込んでいた時期でした(遠い目)。そんな当時の私に、ブログを継続していることを含めて、今現在起きていることを伝えたら、どんなリアクションをすることでしょうか。そんな訳で今年の開設記念記事は、
「今年の出来事で八年前の私に教えても絶対に信じないこと」
を中心にお送りしようと思います。尚、今週の『西郷どん』の感想は開設八年目突入の自分への御褒美としてお休みします。薩長同盟締結の鍵が英国にいる薩長の留学生の交流とかいう絵に描いたような幻の味噌汁展開に草も生えない。こんな大事な場面で使うのでしたら、事前に長州ファイブとかディーン才助とかをキチンと描いておけよ。そんなポッと出の話を持ち出されて、
西郷吉之助「桂どん、こん若者たちはもうとっくに助けおうちょります!」
坂本竜馬「遠い異国で手を取り合うちゅう若者らぁを見習うて、手を組みぃや!」
とか言われても全く説得力ねぇよ。『逆境長州』真っ只中のヅラも、
桂小五郎「それはそれ! これはこれ!」
と断ればよかったのにね。『篤姫』以下の幕末薩摩大河が放送されているってことも八年前の私は信じないだろうなぁ。今年のオフ会は10~11月くらいに考えていますが、仕事の都合もあるうえ、肝腎の大河ドラマがこのテイタラクではなぁ。現時点でオフ会の開催は五分五分ですが、その頃は予定は空いているよという方がおられましたら、こちらの記事にコメント頂けると嬉しいです。宜しくお願い致します。
それでは、まずは何よりも一番に伝えたいことから。
1.ブログの更新頻度が半分以下に落ちていること
※只今、不適切な事実が流れました。都合が悪いのでスルーします。
では、気を取り直して、まずはこちらから。
1.『新九郎、奔る!』第一巻感想(ネタバレ有)
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伊都「何よ、これ?」
千代丸「あ、姉上には理解りません。男のロマンです」
どう見てもアイスラッガーです。
本当にありがとうございました。
それはさて置き、これが一番信じて貰えなさそうな事案。八年前の私に『ゆうきまさみによる北条早雲の漫画が連載されて人気を博している』と伝えてもそんなの銀英伝のアニメがリメイクされるレベルでねーよとヘソで放課後ティータイムしたことでしょう。
ちょいと真面目な話をすると歴史漫画は多かれ少なかれ、劇画的演出に拠ることが多い。劇画的演出というと堅い表現ですが、要するにエログロナンセンスです。ヒロインがババーンとおっぱいを出したり、簡単に首チョンパしたり、主人公のキメ台詞が全く意味不明であったり……歴史漫画の魅力は区々たるネームではなく、画力とシチュエーションのダイナミズムにあるという考え方ともいえる。実際、歴史劇は現代と異なる時代&社会&価値観が舞台なので、それらを一つ一つ解説していくと、物語のリズムが悪くなりやすい。これはこれで正しい手法なんです。
この劇画的演出の典型は『蒼天航路』の序盤で、普通に読む分には途轍もなく面白いんですけれども、冷静に読み返すと『コイツら何をやっているのか』というツッコミどころも満載なんですね。青州兵の汎という女性が曹操に『自分たちを解放して欲しい』と願い出る場面があるのですが、この会談の間、曹操はずっと真顔で汎のおっぱい吸いながら話しているんですよ。流石はエッチ大好き。意味が判らない。でも、この見た目のインパクトで何となく凄そうなのは伝わってくる。あと、徐州に攻め入ることを諫める家臣たちに向かって、
曹操「曹操はなにゆえ曹操であるか! 曹操孟徳は天下のものである! 曹操に天下を見るならば、曹操のもとにおれ!」
と宣告する場面もありましたが、これも物凄くカッコいいけれども、よくよく考えると『俺の命令に従え』以上のことは言っていないんですよね。こういう言葉の意味は判らんが凄い自信のある台詞や表現で、読者を何となく判ったつもりにさせるテクニックが歴史漫画のおける劇画的演出の典型といえるでしょう。『蒼天航路』も後半の合肥視察以降は劇画的演出が激減して、破天荒な『名作』から、独自の解釈に基づく史実と創作のバランスが取れた『良作』になるのですが……現在連載中の作品では高橋のぼる先生の『劉邦』が脱ぐ・斬る・ヤるの三拍子揃った典型的な劇画的歴史漫画でしょうか。別にエログロナンセンスが悪いという意図ではありません、念のため。如何なる手法であれ、最終的に読者を楽しませることが絶対の正義ですからね。
しかし、この『新九郎、奔る!』は劇画的演出を殆ど排除した作品ですね。女の裸もグロ画像もキメ台詞もない代わりに必要な情報は全て描かれているという、珍しいタイプの歴史漫画です。本作について『当時の時代背景を判りやすく描いている』という評価を見ましたが、これは微妙に違う。正確には『キチンと読んだ人にはキチンと判るように描かれている』というべきでしょう。上記のように今までの歴史漫画は、読者にとってハードルの高そうな場面は『物凄くカッコいいけれども、何がいいたいのか判らない主人公のキメ台詞』で何となく読者を判った気にさせることで解決するのがセオリーですが、本作はそういう場面が一切ない。必要な情報は細部に至るまで御丁寧に描かれているので、キチンと読んだ読者には作者が描きたいことは全部伝わるのですが、逆にいうとキチンと読まないと判らない。つまり、判った気になって先に進めない漫画なんです。ノリとイキオイとダイナミズムがメインの今までの歴史漫画と同じつもりで読んだ人間(主に私)には意外とハードル高いように思いました。
勿論、これほどの情報量を詰め込みながらも物語のリズムを保ち、破綻を来さない精密な構成、特に実写も顔負けのカメラワークも本作の魅力の一つでもありますが、こうした作品が読者の支持を得ている理由は描き手側以上に受け手側、つまり、読者の質が変わったのも大きいのでしょう。劇画的エログロナンセンスに重きを置く従来型の作劇に囚われない、新しい歴史漫画を求める読者層が増えているのかも知れません。この辺、呉座先生の『応仁の乱』の購読層と被っているのではないかと思います。本作唯一&最大のネックはこのクオリティを維持したままで早雲の生涯を描き切ることが出来るか否かでしょう。何せ、早雲は長生きですからねぇ……というか、第一話冒頭のシーンに戻るだけでも大変そう。まぁ、これも描き手側のみの課題ではなく、こうした作品を支持する読者層が今後も継続的に存在し得るかという課題でもあると思いますが。取り敢えず、今年のランキングツートップの『風雲児たち』&『よりもい』の牙城を突き崩す最有力候補。久しぶりの三作同率一位あるかも。
2.吉報はひとりでしか来ないが、兇報は友人をつれて来る
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前項でチョロッと触れた銀英伝。言うまでもなく、本作の主題は『最良の専制政治と最悪の民主政治のどちらを選ぶか』であり、その意味で『銀英伝』の主人公はラインハルトとヤンではなく、ラインハルトとトリューニヒトであるという某作家先生の解釈は『真理など滅多に存在しない人間世界の数少ない例外(byヤン・ウェンリー)』といえるでしょう。人気投票では常にヤンに水をあけられるラインハルトですが、ひょっとすると、コアな銀英伝ファンの間ではトリューニヒトよりも人気がないかも知れません。実際、私の周囲では銀英伝について語ると、ラインハルトよりもトリューニヒトのほうが話題になる機会が多い。
これは銀英伝の不可解な点の一つで、友人が本作を読み始めたばかりゆえ、具体的なネタバレは控えますが、作中でトリューニヒトが読者の支持を得る要素は全くないのですよ。オーベルシュタインのような筋の通った憎まれ役でもなく、ラングのように職務上はアレでもプライベートでは妻にも子供にも優しい理想的な家庭人でもない。トリューニヒトは法律的な責任問題は措くとして、能力的にも道義的にもフォーク准将が裸足で精神病院を脱走するレベルの失態&悪手を繰り返しているにも拘わらず、フォークのみが読者に蛇蝎の如く忌み嫌われる一方、トリューニヒトはカルト的人気を誇っている。私自身、好きな銀英伝のキャラクターランクではジャスパーの下、カリンの上の第七位に列しております。
この理由として考えられるのは二つありまして、一つにはトリューニヒトは純粋な人気というよりもネタで楽しんでいるケースが多いからでしょう。本心からラインハルトよりも好きという方は決して多くはないと思います。じゃあ、何でトリューニヒトが斯くもネタとして読者に愛でられるかというと、トリューニヒトにはラインハルトやヤンと違い、社会制度上、我々の世界に現れかねないというリアリティがあるからです。別に具体的に実在する誰がどうこうの話ではなく、オート式の拳銃にジャムるリスクがあるように、民主共和政体というシステムを運用する以上、ポピュリストが出現する危険は絶対に避けられないんですね。そこを深く考えるのは精神衛生上、極めて芳しくないのですが、全く考えないのもマズイなので、ブラックジョークのネタのように心の片隅にチョコンと置いておく。往古の権力者が道化師を傍に置いて身を糺した発想に似ていますが、これがトリューニヒトのカルト的支持層の正体ではないかと。逆にいうとトリューニヒトをネタにして楽しめない社会になったらおしまいともいえます。
そして、もう一つの理由はいわずもがな、トリューニヒトを演じた石塚運昇さんの魅力でしょう。張りと色気と渋さを兼ね合わせた朗々たる声量と確かな演技力はトリューニヒトに嵌り過ぎでしたよ……その石塚さんの訃報は『信じない』というよりも『信じたくない』話でした……というか、八年前の私だけでなく、現在の私も信じたくない。『相棒』ファンとしては津川さん。『銀英伝』ファンとしては石塚さん。今月は訃報が相次ぎました。これ以上、兇報が友人を連れてこないことを祈ります。
3.エディットレフェリーはマーサ茨木
話題をガラリと変えて、こちら。
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発売日には事前に会社に休暇届を出してプレイを待ち焦がれていたファイプロ最新作ですが、当日は熱中症と思しき症状で一日中寝込んでいました。ちなみに翌日は以前、記事で書いたように『イベント前日になっても依頼しておいた業務が半分残っていた』&『片づけたと報告のあった業務の半分がリテイク案件』&『現場責任者が残業せずに帰宅』という恐怖のトリプルコンボに見舞われた日です。日の出と共に帰宅した時には地獄に堕ちろと吐き捨てたくなる程の清々しい気持ちで胸が一杯でしたが、そのままファイプロをプレイ出来たので全て許した。でも、絶対に忘れない。
それは兎も角、これも八年前の私の私に聞かせても、恐らくは信じなかった事案。実際、2006年に発売されたハードのPS3では『ファイプロシリーズ』は出ていない筈です。よく『諦めなければ夢は叶う』とかいいますが、今回のファイプロ続編発売に関しては、
与力「もうとっくの昔に諦めていましたよ、正直! それまでは遅くとも三年周期で出ていたシリーズもパッタリと続編が発売されなくなって、何年も経ったら……普通、諦めますよ! 諦めない奴のほうが変でしょう?」
ボ〇Q「諦めて当然です! 当時はプロレス冬の時代真っ只中ですから! 確かにひとかけらの希望もありませんね!」
与力「諦めていたよ! 諦めたら叶っちゃったんだよ!」
というのがかぎりなく現実に近いシチュエーションでした。いいかい、全国の少年少女よ……非常に言いづらいことなのだが、経験者として言おう! 夢があったら諦めろ!
まぁ、冗談は兎も角、十年越しの夢が叶ったファイプロの感想は点数で表すと、
かぎりなく90点に近い50点
でしょうか。90点に近かった理由はエディット機能が想像以上に充実していたため。技といい、パーツといい、スキルといい、事前に期待していたものは概ね実装されていましたからね。惜しむらくはランニング式ダイナマイトニーリフトとキャトルミューティレーションとクランチループと曼荼羅捻りとスタンディングからのスクールボーイと【略】がなかったことですが、その辺は今後DLで実装して頂けたらと思います。
50点の理由は実装されているレスラーの絶対数が少ないこと。現在の新日本のレスラーは充実しているけれども、他団体や往年の名レスラーがいないのは寂しい。新日本の選手としか対戦出来ないのはなぁ。勿論、エディット機能で幾らでも作ることは出来るんだけれども、彼ら全員となると、どれ程の時間がかかることやら……氷川光秀とか田神朗とかパチモン臭い名前でいいから、他団体や往年のレスラーを入れて欲しかった。まぁ、今は本名でなくても肖像権とかがうるさいのかなぁ。その代わりなのか、SWAとかいう本作オリジナルの団体とレスラーが登録されていますが、
スパイク・チュンソフト「オリジナルレスラー……いっぱいいます(ドヤァッ
与力「違う違う、俺は別に見たことも聞いたこともねぇオリジナルレスラーと戦いてぇ訳じゃねぇんだ。そんな『楽しみにしてろ』みたいに出されても」
との思いは拭えませんでした。
それでも、発売日以降は十年以上も脳内に貯め込んでいた自作のオリジナルレスラーのエディットに夢中です。取り敢えず、現時点で12人作りました。お気に入りは顔面掻きむしりB~毒霧~飛びつきコンプリートショット~外道クラッチのコンボを決めるヒールのマスクマン。テクニカルのクリティカル属性持ちなので、ヘタすると最初のYボタン技が入った時点で勝負が決まるかも。小川良成のようにクイック技の巧いレスラー好きなのよー。尤も、当初の予定では@4人は作る筈でしたが、途中でボツになりました。これは歴代のファイプロエディットで共通しているのですが、Bボタン技で特色を出せないエディットレスラーは作っている途中で必ずボツになります。決め技よりも繋ぎ技で魅せるのがプロレスの神髄。つい、現在活躍している選手も何人が名レスラー足り得ているかということに思いを馳せてしまいますね。
これからも、当ブログをよろs……ん? 何? まだ他に『教えても信じないこと』が残っている?
4.歴史記事が全く更新されていないこと
これからも当ブログを宜しくお願い致します。
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