本多正信「出すというておいて、あとはのらりくらりと……」モミモミモミモミ
徳川家康「それがよい」アンアンアンアン
本多忠勝「そのような真似は好きではありません」イライライライライラ
本多正信「殿はお好きでございますよ」モミモミモミモミ
徳川家康「あっ、そこそこ」アンアンアンアン
悪左府がUPを始めました。
画面も大概でしたが、台詞を文字に起こしたら、もっと大変なことになってしまいました。山本耕史さんが演じることになっている本作の石田三成が、上記の場面を見せつけられた衝撃で前世の記憶が蘇ってしまい、徳川家に仕官してしまわないか心配です。秀吉には男色趣味がないからね。仕方ないね。先回描かれた米粒の食べっこといい、今年の大河ドラマは熟年男のラブラブ描写を入れなければいけないという縛りでもあるのでしょうか。勿論、出すとか出さないとかいうのは下腹部から溢れる粥の如きものではなく、滝川一益への援軍の話ですが、子供と一緒に見ていた親御さんは気まずい思いをしたかも。まぁ、同じ内野さん絡み作品での、
葉月「気持ちのいい時なぞ、得をした気分じゃ」
よりはナンボかマシかも知れません。あれはエロかった。他にも、伊賀越えの疲れをものともしない姿に本多忠勝=エル・サムライ説を唱えたくなる内容など、先回同様に今回も徳川陣営が強烈に印象に残りました。逆にいうと他は目立った見所が乏しかったかなぁ。三話の騙されるお兄ちゃん、四話の狸と貉の化かしあい、五話の伊賀ウォーカー二泊三日とトバし過ぎた分、今回は息抜きというか息切れというか、そんな今週の『真田丸』のポイントは4つ。
1.浅倉も生きてました
冒頭は本作始まって以来の妙な緊迫感に溢れたシーンでスタート。明智の残党狩りに追われる信繁一行の切羽詰まった感が、短いながらもよく出ていました……というか、この雰囲気を第二話でやってくればよかったのになぁ。明智の手勢に追い詰められて、断崖からダイブする雛ちゃんですが、史実を知る人間は問答無用で死んでいないのは判っているし、予備知識のない方も死体が見つからない墜死は創作作品では概ね生存フラグなので、こちらは緊張感がなかった。勿論、村松殿が本能寺の変前後の騒動で一時期、消息不明になっていたのは史料にキチンと掲載されているらしいとはいえ、現時点では信繁が己を見つめ直す契機になった他に、ストーリーに強く絡んだ内容にならなかった所為か、あまり印象に残らなかった。まぁ、この辺は次回以降の信繁の変化と雛ちゃんが帰還する段の描写で、今回の評価が決まると思います。ブンビーさんに贈られたポプリを嗅いだ雛ちゃんが記憶を取り戻す……というだけの話で終わらないかが心配。
2.人質は消毒だ
滝川一益の口から(とっくに知っていた)本能寺の一件を知らされた昌幸。『信濃は真田が抑えるゆえ、信長公の仇討ちを』と一益を関東から叩き出す算段を目論む昌幸でしたが、
ヒゲ魔神滝川一益「おまえら、信用できねぇからな」
の一言で切り捨てられてしまいます。そのうえ、自分の母親を織田家ではなく、一益個人へ人質として差し出すことになる始末。おばばさまが率先して人質の任務を果たそうとする姿はカッコよかったですが、折角、鬼武蔵を登場させたのですから、織田家と信濃の国衆とのイザコザを掘り下げてくれると嬉しかった。
森長可「信濃の国衆に伝えよ。わしら織田方はお主たちを守りこそすれ、害をなそうなどと思っていなかった。わしらを追い出せば、必ずや信濃はほうぼうから攻められ、食い潰されるであろう」
などとパッと見はイイコトいっている&適格極まる予言を残した鬼武蔵ですが、転封早々にン百人単位のNADEGIRIを仕出かした奴が何をいうとんのか、と思わず画面にツッコんでしまいましたよ。そういう前フリもあってか、本能寺の変の詳細が知れ渡るや、彼が治めていた(正確には暴力で支配していた)北信濃の国衆は一斉に反旗を翻し、鬼武蔵を裏切らなかったのは、本編でも描かれていたように出浦さん一人きり。しかし、流石は鬼武蔵というべきか、彼は国衆に差し出せておいた人質を全員確保すると、彼らを盾にジリジリと深志城まで退き、己の身の安全が確保された途端に人質全員をぶった斬って旧領に帰ったそうです。雛ちゃんやおばばさまよりも、こちらを丁寧に描いたほうが、実の母親を人質に出さなければならなくなった昌幸の悲哀が伝わったのではないかと思います。
3.キャットフードマン
北条氏政「北条は貴殿が留守にしている間、上野や信濃に攻め込むことは決していたしません、と書いておいた」
北条氏直「父上、それは本心でございますか?」
北条氏政「今は戦国の世、敵を油断させるのも立派な兵法の一つ。今のうちに戦支度じゃ。明智攻めの決着がついたら、すかさず攻め込む」
遂に本格始動の北条氏政。若干の小者感が拭えないのは従来の氏政像を思うと仕方ないとして、なかなかに油断のならない人物として描かれているのはありがたい。勝頼といい、氏政といい、これまでの歴史劇ではアレな扱いの人物の再評価に繋げようという姿勢が見て取れるのは嬉しいですね。『織田領には攻め込まない(永久に攻め込まないとはいっていない)』という氏政の思考は、明智攻めの間は手を出さないという筋を通すことで周囲の信用を得る一方、滝川勢が最も関東から離れた時点で攻勢に出る二枚腰の戦略なのかも。ちなみに、北条家も主人公の家と同様、腹黒い親父と生真面目な嫡子という描写になる模様。この対比は今後も楽しみです。
尤も、真田信尹との交渉場面は落第点。雛ちゃんの転落シーンと同様、素人目にも氏政が和議を破棄するのはアカラマサ過ぎました。元々、織田と北条は武田攻めに際して、同盟関係にあったワケですから、そこを基軸に表面上は愚直でアレっぽい従来型の氏政が、実は結構深慮遠謀を巡らせていたというのがよかったのではないでしょうか。
4.バルカン政治家
真田昌幸「わしが肩入れした者は悉く、運を逃す。源三郎、教えてくれ。わしゃ、疫病神か?」
北条氏政「だいたいあってる」
徳川秀忠「疫病神そのものだろ」
上杉景勝「むしろ、盟主の運と金銭を吸い取って育つのが真田クオリティ」
武田滅亡の危機を乗り越え、信長への服属を成功させたのも束の間、本能寺の変で更なる危機を迎えて、母親を人質に送り込んでまで御家の命運を委ねた滝川一益も、明智討伐の功績を羽柴秀吉に掻っ攫われるという、本当によくよく考えると不運の連続に見舞われた真田家。自分が疫病神ではないかと自嘲したくなる気持ちも判ります。まさに裏目裏目の真田昌幸ですが、次男坊の『領主が変わっても信濃という国が変わるワケではない』という言葉で自らの指針を定めた模様。
真田昌幸「上杉も北条も徳川も皆、信濃が欲しいのじゃ。東と西を結ぶ要の土地じゃ。だからこそ、大名たちは、この信濃を押さえようとする。この信濃があるかぎり、わしらは大名たちと対等に渡り合えるわい。この信濃を使って、奴らを操ってみせるのよ。もう、奴らの顔色を窺うのは御免じゃ!」
強者の都合に振り回される弱者ではなく、弱者のほうが強者を選ぶ環境を整えようというのが昌幸の結論。要するにバルカン政治家への転身ですね。現代日本では単に八方美人の政治家を指す言葉として用いられがちですが、元々は地政学上、交易上の優位を武器に大国を手玉に取る小勢力を表す言葉なので、まさに真田昌幸に相応しい言葉でしょう。『東と西を結ぶ要の土地』というのは関ケ原の布石になるのかな。勿論、戦国の小勢力は上記の昌幸のような言葉を口にしなくても、自分たちが生き残る術は他にないことを知っていたでしょうが、物語である以上、キチンと台詞で宣言したのは◎だと思います。
しかし、一番印象に残ったのは、
真田昌幸「大博打の始まりじゃあ!」
と叫ぶ実父を見るお兄ちゃんの表情。パッと見、方針を定めた父親にどこまでもついていこうという決意が全面に出ているようですが、若干ヒき気味に見えたのは私の気の所為ではないでしょう。些か強張った表情は今までのアレやコレは博打じゃなかったのかという言葉を必死に飲み下そうとしているように見えました。ここからが本当の地獄だ。
NHK大河ドラマ 風林火山 完全版 第壱集 [DVD]/ジェネオン エンタテインメント
![]()
¥44,100
Amazon.co.jp
NHK大河ドラマ 風林火山 完全版 第弐集 [DVD]/ジェネオン エンタテインメント
![]()
¥38,880
Amazon.co.jp
徳川家康「それがよい」アンアンアンアン
本多忠勝「そのような真似は好きではありません」イライライライライラ
本多正信「殿はお好きでございますよ」モミモミモミモミ
徳川家康「あっ、そこそこ」アンアンアンアン
悪左府がUPを始めました。
画面も大概でしたが、台詞を文字に起こしたら、もっと大変なことになってしまいました。山本耕史さんが演じることになっている本作の石田三成が、上記の場面を見せつけられた衝撃で前世の記憶が蘇ってしまい、徳川家に仕官してしまわないか心配です。秀吉には男色趣味がないからね。仕方ないね。先回描かれた米粒の食べっこといい、今年の大河ドラマは熟年男のラブラブ描写を入れなければいけないという縛りでもあるのでしょうか。勿論、出すとか出さないとかいうのは下腹部から溢れる粥の如きものではなく、滝川一益への援軍の話ですが、子供と一緒に見ていた親御さんは気まずい思いをしたかも。まぁ、同じ内野さん絡み作品での、
葉月「気持ちのいい時なぞ、得をした気分じゃ」
よりはナンボかマシかも知れません。あれはエロかった。他にも、伊賀越えの疲れをものともしない姿に本多忠勝=エル・サムライ説を唱えたくなる内容など、先回同様に今回も徳川陣営が強烈に印象に残りました。逆にいうと他は目立った見所が乏しかったかなぁ。三話の騙されるお兄ちゃん、四話の狸と貉の化かしあい、五話の伊賀ウォーカー二泊三日とトバし過ぎた分、今回は息抜きというか息切れというか、そんな今週の『真田丸』のポイントは4つ。
1.浅倉も生きてました
冒頭は本作始まって以来の妙な緊迫感に溢れたシーンでスタート。明智の残党狩りに追われる信繁一行の切羽詰まった感が、短いながらもよく出ていました……というか、この雰囲気を第二話でやってくればよかったのになぁ。明智の手勢に追い詰められて、断崖からダイブする雛ちゃんですが、史実を知る人間は問答無用で死んでいないのは判っているし、予備知識のない方も死体が見つからない墜死は創作作品では概ね生存フラグなので、こちらは緊張感がなかった。勿論、村松殿が本能寺の変前後の騒動で一時期、消息不明になっていたのは史料にキチンと掲載されているらしいとはいえ、現時点では信繁が己を見つめ直す契機になった他に、ストーリーに強く絡んだ内容にならなかった所為か、あまり印象に残らなかった。まぁ、この辺は次回以降の信繁の変化と雛ちゃんが帰還する段の描写で、今回の評価が決まると思います。ブンビーさんに贈られたポプリを嗅いだ雛ちゃんが記憶を取り戻す……というだけの話で終わらないかが心配。
2.人質は消毒だ
滝川一益の口から(とっくに知っていた)本能寺の一件を知らされた昌幸。『信濃は真田が抑えるゆえ、信長公の仇討ちを』と一益を関東から叩き出す算段を目論む昌幸でしたが、
の一言で切り捨てられてしまいます。そのうえ、自分の母親を織田家ではなく、一益個人へ人質として差し出すことになる始末。おばばさまが率先して人質の任務を果たそうとする姿はカッコよかったですが、折角、鬼武蔵を登場させたのですから、織田家と信濃の国衆とのイザコザを掘り下げてくれると嬉しかった。
森長可「信濃の国衆に伝えよ。わしら織田方はお主たちを守りこそすれ、害をなそうなどと思っていなかった。わしらを追い出せば、必ずや信濃はほうぼうから攻められ、食い潰されるであろう」
などとパッと見はイイコトいっている&適格極まる予言を残した鬼武蔵ですが、転封早々にン百人単位のNADEGIRIを仕出かした奴が何をいうとんのか、と思わず画面にツッコんでしまいましたよ。そういう前フリもあってか、本能寺の変の詳細が知れ渡るや、彼が治めていた(正確には暴力で支配していた)北信濃の国衆は一斉に反旗を翻し、鬼武蔵を裏切らなかったのは、本編でも描かれていたように出浦さん一人きり。しかし、流石は鬼武蔵というべきか、彼は国衆に差し出せておいた人質を全員確保すると、彼らを盾にジリジリと深志城まで退き、己の身の安全が確保された途端に人質全員をぶった斬って旧領に帰ったそうです。雛ちゃんやおばばさまよりも、こちらを丁寧に描いたほうが、実の母親を人質に出さなければならなくなった昌幸の悲哀が伝わったのではないかと思います。
3.キャットフードマン
北条氏政「北条は貴殿が留守にしている間、上野や信濃に攻め込むことは決していたしません、と書いておいた」
北条氏直「父上、それは本心でございますか?」
北条氏政「今は戦国の世、敵を油断させるのも立派な兵法の一つ。今のうちに戦支度じゃ。明智攻めの決着がついたら、すかさず攻め込む」
遂に本格始動の北条氏政。若干の小者感が拭えないのは従来の氏政像を思うと仕方ないとして、なかなかに油断のならない人物として描かれているのはありがたい。勝頼といい、氏政といい、これまでの歴史劇ではアレな扱いの人物の再評価に繋げようという姿勢が見て取れるのは嬉しいですね。『織田領には攻め込まない(永久に攻め込まないとはいっていない)』という氏政の思考は、明智攻めの間は手を出さないという筋を通すことで周囲の信用を得る一方、滝川勢が最も関東から離れた時点で攻勢に出る二枚腰の戦略なのかも。ちなみに、北条家も主人公の家と同様、腹黒い親父と生真面目な嫡子という描写になる模様。この対比は今後も楽しみです。
尤も、真田信尹との交渉場面は落第点。雛ちゃんの転落シーンと同様、素人目にも氏政が和議を破棄するのはアカラマサ過ぎました。元々、織田と北条は武田攻めに際して、同盟関係にあったワケですから、そこを基軸に表面上は愚直でアレっぽい従来型の氏政が、実は結構深慮遠謀を巡らせていたというのがよかったのではないでしょうか。
4.バルカン政治家
真田昌幸「わしが肩入れした者は悉く、運を逃す。源三郎、教えてくれ。わしゃ、疫病神か?」
北条氏政「だいたいあってる」
徳川秀忠「疫病神そのものだろ」
上杉景勝「むしろ、盟主の運と金銭を吸い取って育つのが真田クオリティ」
武田滅亡の危機を乗り越え、信長への服属を成功させたのも束の間、本能寺の変で更なる危機を迎えて、母親を人質に送り込んでまで御家の命運を委ねた滝川一益も、明智討伐の功績を羽柴秀吉に掻っ攫われるという、本当によくよく考えると不運の連続に見舞われた真田家。自分が疫病神ではないかと自嘲したくなる気持ちも判ります。まさに裏目裏目の真田昌幸ですが、次男坊の『領主が変わっても信濃という国が変わるワケではない』という言葉で自らの指針を定めた模様。
真田昌幸「上杉も北条も徳川も皆、信濃が欲しいのじゃ。東と西を結ぶ要の土地じゃ。だからこそ、大名たちは、この信濃を押さえようとする。この信濃があるかぎり、わしらは大名たちと対等に渡り合えるわい。この信濃を使って、奴らを操ってみせるのよ。もう、奴らの顔色を窺うのは御免じゃ!」
強者の都合に振り回される弱者ではなく、弱者のほうが強者を選ぶ環境を整えようというのが昌幸の結論。要するにバルカン政治家への転身ですね。現代日本では単に八方美人の政治家を指す言葉として用いられがちですが、元々は地政学上、交易上の優位を武器に大国を手玉に取る小勢力を表す言葉なので、まさに真田昌幸に相応しい言葉でしょう。『東と西を結ぶ要の土地』というのは関ケ原の布石になるのかな。勿論、戦国の小勢力は上記の昌幸のような言葉を口にしなくても、自分たちが生き残る術は他にないことを知っていたでしょうが、物語である以上、キチンと台詞で宣言したのは◎だと思います。
しかし、一番印象に残ったのは、
真田昌幸「大博打の始まりじゃあ!」
と叫ぶ実父を見るお兄ちゃんの表情。パッと見、方針を定めた父親にどこまでもついていこうという決意が全面に出ているようですが、若干ヒき気味に見えたのは私の気の所為ではないでしょう。些か強張った表情は今までのアレやコレは博打じゃなかったのかという言葉を必死に飲み下そうとしているように見えました。ここからが本当の地獄だ。
NHK大河ドラマ 風林火山 完全版 第壱集 [DVD]/ジェネオン エンタテインメント

¥44,100
Amazon.co.jp
NHK大河ドラマ 風林火山 完全版 第弐集 [DVD]/ジェネオン エンタテインメント

¥38,880
Amazon.co.jp