「『真田丸』石田三成役に山本耕史、大谷吉継役に片岡愛之助」
副長悪左府治部キタ――(゚∀゚)――!!
三谷さんが真田一族を描くという話を聞いた瞬間から、山本さんの三成を期待していた人は私一人ではないでしょう。これはもう、必然のキャスティングですね。三谷さん絡みで山本さん以上に三成の似あいそうな俳優さんはいないと思います。しかし、世間には、
「完全に色モノ大河!『真田丸』の愛之助と山本耕史がエグ過ぎ!?」
というマト外れにも程がある記事が存在するのも事実。通勤距離が二倍以上&帰宅時間が数時間遅れるという懲罰人事同然の異動を命じられた私としては、怒るとか呆れるとかいうよりも、こんな文章を書いて給料を貰える仕事が純粋に羨ましいです。『組!』の副長や『平清盛』の悪左府を見ていれば、大抵の人は山本さんの治部を見たいのではないでしょうか。
それに愛之助さんの登用も必然ですよ。『半沢直樹』とかいう私は未だに視聴してない作品でお茶の間の知名度がハネあがる以前、大河史上初の本編外伝となった『土方歳三最期の一日』で、愛之助さんは榎本武揚の役で山本さんの土方と共演しているんです。あの榎本はよかったわぁ。まぁ、榎本自体、滅多にドラマに登場する人物じゃないんですが、少なくとも、日テレ時代劇『五稜郭』の里見さんの榎本よりもよかった。里見さんの榎本は大物過ぎた。開陽丸が沈むまでは新政府を倒しちまいそうな雰囲気がありました。その点、愛之助さんは洒脱で陽気でスマートな榎本っぽい雰囲気が素晴らしかった。あの作品で山本さん演じる土方の最期の盟友として戦った榎本を演じた愛之助さんが、今度は治部と刑部という関ヶ原最高の盟友を演じる。こんなに素敵なキャスティングがあるか? いや、ない! 前世紀の作品ならまだしも、数年前に放送された大河関連の番組を見ていれば誰でも覚えているキャスティングを総スルーして、バッシング記事を書く。こういうことをしているから、マスコミは体制から圧力をかけられても、国民にソッポを向かれるのでしょう。尤も、権力の御用聞きと化したマスコミというのもゾッとしないので、今からでも悔い改めて、真っ当な記事で社会の信用を取り戻して欲しいものです。基本的に私は権力とマスコミが対立した場合はマスコミを応援する人間ですので。ホントだよ? ウソじゃないよ?
あ、ちなみに昨晩の『おにぎり女』は久々に見て吐きました。これは『北の零年』と『永遠の0』以来の快挙です。丑三つ時に酒飲んでまで録画実況するモンじゃありませんね。詳しく触れるとまたリバースしそうなので、内容を知りたい方はエチケット袋を片手に土曜日の再放送を御覧下さい。何だ、この『水曜どうでしょう』の深夜バスみたいな扱いの大河ドラマ。
随分と長くなった前置きはここまでにして、今回も最近視聴した作品の感想をつらつらと。まずは、序文の『社会の信用』という類似点から、この作品。
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上記アフィリエイトの映像を見ると、脊髄に水銀を流し込まれたような悪寒を覚えずにはいられません。『笑ってはいけない地球防衛軍』のエリート塩を想起させる衝撃でした。未視聴の方は是非、本作を御覧頂きたい。いや、この作品はマジで今年のベスト10に入れようかと思っているんですよ。この『下ネタ~』は単なる御下劣作品ではなく、
反体制活動の教科書
として極めて優秀なんですね。本作を通じて描かれたメッセ―ジは、
1.思想とは啓蒙するものであって、暴力で押しつけるものではない
2.体制に睨まれる暴挙をやらかした同志は絶対に庇ってはいけない
この2点に極まると思います。本作後半で登場した『群れた布地』との抗争が典型。法を犯して暴力で己の願望を成就させようとする輩は、同じHENTAIであっても……否、同じHENTAIであるからこそ、断固として排除しなければ、体制に弾圧の口実を与えてしまう。時と場合によっては体制(アンナ先輩とか)の力を借りてでも、危険なHENTAIは当局へ突き出さなければならない。そういう反体制活動のセオリーを見事に描ききっていました。
これ、本当はベスト10の記事に取っておこうと考えていた内容なんですけれども、先日、報道でこんな事件を目にしたので、ここで使うことにしました。極一部とはいえ、被害者への敵意ゆえに容疑者に同情を寄せる意見がネットで見受けられましたが、表現規制に反対の意見を持つのであれば、冤罪の可能性と未成年への配慮という理由以外で、この容疑者は庇いだてしてはいけないと思います。そんなことをすれば、世間から『ああいう趣味の連中は〒口とか脅迫とかをも厭わないアブない人間なんだな』と思われますし、そうした世論の台頭は体制による表現規制を助長することになるでしょう。少なくとも、私は合理的な疑いを差し挟む余地がないかぎり、今回の容疑者には厳罰をもって臨んで欲しいと考えています。
あ、言わずもがなのこととは思いますが、これをもって私が被害者の主張のシンパではないことも明言しておきます。『今回の犯人はネット社会が生み出した歪み』とかいうコメントをブログで発表するとか、矛盾にも程があるだろ。
次はこれ。
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色々と細かい伏線張っているであろう17話も興味深いですが、今回は原作者のリテイクに振り回される16話がメインでしたね。井口さん、お疲れさまでした。放送当時は、
何か自分の絵と違います。
何か可愛さが足りない。
何か納得がいきません。
という具体性のカケラもないリテイクに視聴者は非難轟々であったと推測しますが、私は原作者には問題はないと思いました。だって、自分の絵の何処が如何可愛いかを口で説明できたら、その人は絵を描くよりも小説を書くほうに向いていますよ。実際、描けば描くほどにドツボに嵌っていった頃の井口さんの絵にもキチンとリテイクを出しているので、原作者は(少なくとも絵の感性は)マトモだと思います。そうした『言葉にできない感性』を汲み取って、編集長や外の人間に伝えるのは、常日頃から漫画家と共に作品を管理する編集者の仕事であって、必然、今回のトラブルの8割は変な話の人が原因。つーか、これが原因でアニメがぷるんぷるんしたら、変な話の人も進退問題に発展するんじゃないでしょうか。『ムサニは零細企業』と舐めてかかっているのかも知れません。
ただ、残りの2割はムサニにも問題があったワケで、特に井口さん。原作者の意向を組むのは当然としても、一人のクリエーターとして、自分の作品には自信を持っていなくてはいけない。ゴスロリさまが諭したように、注文にハイハイ応じるばかりでは一流になれないんですね。
炎尾燃「打ち合わせのとき、編集者がこれをこう変えろと納得のいかんことを言ったとしても―――変えんのだ! 変えてどうする! おれが面白いと考えていることはこれだ! これがおれの作品だ! 面白くないなら言ってみろ!」
という気概がなくてはいけないのでしょう。『燃えペン』『吼えペン』は本作の主張とカブる点が多くて、こういう主張の漫画を四半世紀近くも昔に描いていた島本和彦は改めて凄いと思いました。実をいうと前巻ラストでリテイクが出たシーン、何故か原作者が炎尾燃のイメージで浮かんだくらいです。『リテイクだ!』の台詞があまりにも印象強いので。まぁ、炎尾の場合は『ええいっ! おれがやるから、おれにかせ!』とかいって自分でキャラデザをやりかねないのですが。
画的な部分では作中で木下監督が明言していた『カッコよくウソをつく』という台詞が印象的。バッティングセンターのシーンなんか、まさにそれ。ゴスロリ様は兎も角、みゃーもり、えまたそ、井口さんの3人は揃いも揃って、フォームが決まり過ぎでした。実際はキャッチボールの経験がない人は肩を使ったフォームはできません。肘から先に頼ったフォーム、俗にいう『女の子投げ』になります。でも、それをやるとゴスロリ様のパイルボールが際だたないので、上記の3人には敢えて『男の子投げ』をさせたのでしょう。これこそ、まさにカッコよくウソをつくための技法ですね。『男の子投げ』と『女の子投げ』の違いを知りたい人はアニメ版『時をかける少女』がオススメです。
最後はこれ。
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内容は原作漫画で読んでいるので、新鮮味ないかなぁと思いつつもレンタルしたのですが、凄く面白かった! ストーリーよりも演出の勝利といいますか。サブタイで『青い瞳のキャスバル』といいつつも、物語がキャスバル視点で動いていないのが凄いんですよ。否、動いていないというか、作中でのキャスバルは徹底して周囲の情勢に無関心……とまではいかなくとも、醒めた傍観者に徹しています。その意味では正しいのか。キャスバルから見た周囲の人間はだいたい以下の通り。
父・ダイクン……夜中にうるせぇ。演説の練習やめろ。
母・アストライア……アルテイシアばっかり可愛がるな。
ジンバ・ラル……仇、仇と喚くな。こっちの身が危ないわ。
キシリア……子供相手にSMゴッコすんな。この変態紫BBA。
ガルマ……葬式で前髪弄るな。木馬の前に引きずり出されてぇか。
だいたい、こんな感じですね。しかも、そうした不満や反発を露わにしません。キシリアの時以外はスネた感じで押し黙っている。アストライアやランバ・ラル、ザビ家のように、誰かや何かに夢中になるシーンは皆無。キャスバルが純粋に表情を輝かせたのは、ハモンさんが自分たちを保護するために来た時と、初めて宇宙空間に出た時のみ。要するに、
母性と宇宙にしか興味がない
後年のシャアの為人が既に現れているのですよ。結局、シャアは子供の頃から他人に関心がない人間であったということを描いているのだと思いました。安彦さんは本当に意地が悪いなぁ。
もう一人の主人公のアルテイシアの描写もよかった。物語後半でガンタンクもどきの砲撃戦に巻き込まれた場面ですが、ここでアルテイシアに被せられたのは『地球はいい所。森も多いし、動物さんも沢山いる』とかいう母・アストライアの語り聞かせの台詞。これ、緊迫した場面に似つかわしくないようですが、初めての鉄火場に放り込まれたアルテイシアは、母親から聞かされた地球の話を思い出すことで現実逃避しているんですね。この地獄絵図の渦中で正気を繋ぎとめるには、母親と交わした最後の言葉に縋るしかなかったワケで、凄くリアリティがある演出だと思いましたよ。後年、カイ・シデンを軟弱者と罵ったセイラさんも、流石に子供の頃から凛々しかったワケではないようです。この辺は兄貴と逆設定ですね。
個人的に嬉しかったのはキシリアの扱い。渡辺明乃さんのハマり具合もそうですが、原作でも描かれたように自室では裸族というキシリアの意外な一面がキチンと再現されていたのがツボ。あれ、カットしても問題ないシーンじゃん。よくやった。
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徒然日記 ~2015/09/28~
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