『スリーピーホロウ』と『ウォーキングデッド』のレンタルリリースを控えた今週。ここ最近は『The 100』や『Zネーション』や『HELIX』といったハズレ作品を引き続けていたので、安心と信頼と実績の鉄板作品の続編は嬉しいかぎりですが、今週は『修羅の刻 昭和編』の連載も始まりそうなので、時間の遣り繰りに苦労しそうな予感。そんなワケで今回は前置きもそこそこに本文に入ります……といっても、本文と呼べるような内容もなく、視聴した作品の感想をダラダラと述べるだけなのですが。
まずは上記の海外ドラマ絡みのネタから。
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先日、近所のレンタル店で『海外ドラマのイイ女』第一位として『BONES』のテンペランス・ブレナンを紹介しているPOPを見ました。確かにテンピーは才媛であり、個性的な魅力に溢れた素晴らしいキャラクターですが、しかし、絶対にイイ女ではありません。理屈が多いくせに土壇場では感情で動く。空気は読めない。ジョークは寒い。警告なしで発砲する。性格的に面倒臭い。ついでに彼女に何かあったらシリアルキラーの父親が武力介入してくるというオマケつき。こんな女性と結婚したブースはデッカい男だなぁと感心しますが、ブースもブースで片手の指では収まらないトラウマを抱え込んでいるうえ、小学生レベルの恋愛脳しか持たない人間なので、見ていて非常にイライラします。ちなみに、私にとっての『海外ドラマのイイ女』第一位は、以前も書いたように『ユーリカ』のサラ。最高じゃん。
『BONES』にかぎった話じゃありませんが、海外ドラマの登場人物って『何でそんなことで何時までも悩んでいるの?』と思えるキャラクターが多過ぎるのが玉に瑕。キャラクターを印象づけるために必要な措置なのは判っているものの、同じネタでウジウジウジウジと悩んでいる姿を見るのは結構なストレスです。特に長期シリーズになると、キャラクターや俳優の年齢も必然的にあがってくるので、視覚的にも『いい大人が何時まで若い頃の悩みを引きずっているんだ』という不満を感じずにはいられなかったのですが、それをハッキリと再認識できた作品がこれ。
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世間的に評価の高い作品とは聞いていましたが、実際に面白かったです。出だしで大きな謎をドーンと提示しておきながら、それを正面から取りあげることなく、各々の登場人物を掘り下げることで段階的に物語の世界観を視聴者に理解させて、その上に更なる謎を盛り込んでいくという技法は、それこそ、海外ドラマで頻繁に使われるヤリクチ。加えて、本作の登場人物は皆、何らかのトラウマを抱えているんですよ。パッと思いつくだけでも、
友人を裏切った過去に脅えるヒロインとか、
昏睡状態の兄を救うために犯罪に手を染める妹とか、
姉による家庭内虐待の影響で性癖が歪んだ弟とか、
恋人の死の真相を解明するために奔走する男とか、
小学生の甥への過剰な愛情を露わにする叔母とか、
肝心な場面の記憶を失っているマッド・サイエンティストとか、
海外ドラマを見ていると『いるいる、こーゆー奴』とニヤけてしまいます。しかし、本作は見ていてもストレスを感じません。それは上記の悩みを抱えているのが約一名を除いて子供だからでしょう。年齢相応の悩みに苦しむ登場人物の姿は、逆に『若い頃は色々と悩め!』と応援したくなってしまったくらいです。
私的にはハズレの多かった今年の海外ドラマ。もしも、見たい作品がなくなった時には『電脳コイル』を手に取ってみてはいかがでしょう? ヘタな海外ドラマよりも海外ドラマしていますよ。でも、本作の一部脚本&小説版を手がけたのは、声優じゃないほうの宮村優子さんなんだよなぁ。そう、今年の大河ドラマの脚本家ですよ。何だろ? やっぱり、今年の大河ドラマの惨状は、脚本家云々よりも題材とか政権とかのアレで現場がやる気をなくしているだけじゃないですかね。
次は大河絡みで、これ。
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いや、この作品は大河ドラマじゃないですが、先日放送された『おにぎり女』で本作の一場面がフラッシュバックしてしまった&『おにぎり女』のアフィリエイトなんて絶対に掲載したくなかったので、こちらを選ばせて頂きました。戦争の行方や将来への不安よりも夫の浮気で気持ちを沈ませていた高杉嫁との会話シーンで、ヒロインがいきなり、
おにぎり女「こういう時は種を蒔きましょう!(アッパラパー
とか宣言する場面。『なう』でも実況したように、私の中では『Vガンダム』の第11話でヒロインのシャクティが、戦争の最前線で号泣しながらヤナギランの種を植えるシーンと被ってしまいました。美和もシャクティも関わった人間が総じてロクでもない目に遭うという点で共通しているのですが、今回は特にそう。この状況下で種蒔きかよ。
ただし、シャクティはパッと見、周囲の迷惑を考えないメンヘラヒロインですが、実は登場人物の中で一番マトモな感性の持ち主なんですね。彼女が戦いの真っ只中でヤナギランの種を蒔こうとしたのは、幼馴染のウッソの『両親が迎えに来るまでは戦わなきゃいけない』『故郷のカサレリアを離れても、ヤナギランを植えておけば、両親への目印になる』という発言を真に受けて、
「ヤナギランを植えれば、ウッソの両親は戻ってくる! ウッソは戦わなくてよくなる!」
と短絡的に考えた結果なんですけれども、幼馴染に戦争をして欲しくないという発想そのものは、十代前半の女の子としては至極真っ当。10歳にもならない息子に対人戦闘の技術を叩き込む父親、戦争に平然と参加する子供&それが当然のことのように考えている大人、バカデカいローラーで地球を地均ししようとする狂信者集団、貴重な最新鋭機でバンザイアタックを仕掛ける指揮官、MSに水着姿で白兵戦を挑む女性たち&その女性たちをビームサーベルで焼き殺す少年といったマジキチがゴロゴロ出てくる本作で、そうした愚かな戦いを否定するシャクティの感性は非常に正しいものなんです。勿論、正しい感性には正しい手段が伴わないと意味がないので、シャクティの周囲は彼女の暴走で何度も手酷い迷惑を蒙るのですが、富野さん的には正しい感性が異常に見えるのが戦争の恐ろしさということを描きたかったのでしょう。尤も、この時期の富野さんは結構アレな精神状態でしたので、深読みし過ぎるのも禁物ですが、取り敢えず、何がいいたいかというと『同じ種蒔きというシチュエーションなのに、ン十年前のアニメ作品にも劣る描写しかできない大河ドラマは色々と終わってんだろ』ということです。九月以降は『どうでしょう』じゃないほうの小松江里子(呼び捨て)がテコ入れに参加するそうですが、それはテコ入れじゃなくて、介錯じゃないんですかねぇ、しかも、谷三十郎レベルの。
続いては、これ。
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チェイス「これが『失恋』というものか。だが、この胸の痛みが寧ろ、誇らしい。人間に近づけた気がする。俺は霧子を愛している……だから、彼女の愛を守るために戦おう。人間が未来へと紡いでいく……その絆こそが愛だ」
もう、チェイスさんが主人公でいいと思うの。
抜き書きすると『愛と誠』にでも出てきそうなカッコいい台詞なのに、映像で見ると笑いがとまらないシーンなんだよなぁ、これ。毎回毎回、出てくる度にナイスな笑いを提供してくれるチェイスさん。『乱レ……ちゃウ?』とか『胸が……キゅンとなル』とか、スタッフもやりたい放題です。最終回間近なのに、肝心の主人公の影が薄くなっているのは色々と問題だと思うのですが……まぁ、進ノ介は仁良さんを逮捕した時にキャラクターに課せられた『宿題』を終わらせたので、見せ場が減るのは仕方ないとはいえ、グローバルフリーズの時に一悶着あったバディとの絡みはどうなったのでしょうか。
しかし、よくよく考えると、本作でチェイスが主役に見えてくるのは仕方のないことなのかも知れません。古くは『新造人間キャシャーン』、近年では『武装錬金』などに代表されるように変身ヒーローの主人公は人間とそうでない者との狭間で苦しむものなのです。チェイスさんも元々は人間ではないとはいえ、上記の台詞で示されるように、人間に近づきたいという動機はあるワケで、でも、どんなに努力しても、ロイミュードの感情は人間のコピーに過ぎないのは先回のブレンの描写から明らかなワケで、それこそ、初代仮面ライダーの本郷猛も、ショッカーに改造人間にされたことに懊悩しているという設定もあったワケで……その辺の流れを考えると、人間相手の恋愛に涙したチェイスさんは、仮面ライダーの主人公たる資格が進ノ介よりも圧倒的にあるんじゃないかと思った次第です。
ラストは、これ。
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『アル戦』と同じく、すっかり当ブログの月一感想の題材として定着した本作。今月レンタルリリース分も面白かった! 何はさて置き、今回一番記憶に残ったのは勿論、この台詞。
稲波良和「政治的なキャスティングは必ず露見ます。そして、それは断言できますが、作品にプラスになることはない。絶対に、です。一方で鈴木京子さんの経験の少なさが不安という意見も理解できます。その時は私たちが育てればいいんですよ」
おーい、聞いているか、鈴P。
基本的に田淵久美子と歴代の都知事以外への個人攻撃は極力避けてきた当ブログですが、今回のは誰に対するメッセージなのか一発で判る台詞なので、私も対象を特定させて頂きました。やっぱり、業界の人もそう思っているんですね。キ○タ○も庵○秀○も絶対に作品にプラスに働いていませんでしたし。社長さんによる無駄に旨そうなギョーザの差し入れも、政治的なキャスティングをゴリ押しする連中に対する、
「テメーら、自分の口の臭い嗅いでみろ。相当くせーぞ。ハラワタ腐ってんじゃねーのか?」
という遠回しの皮肉なのかも知れません。ただし、作品的にはアレでも商品としてはプラスに働いている可能性はなきにしもあらずですので、この辺はアニメを創る側と売る側の価値観の相違とでもいいますか。『風立ちぬ』も『庵野が吹き替えしているから見ない』という人よりも『庵野の演技が如何にアレなのか見てみたい』or『そもそも吹き替えなんか気にしない』という人のほうが多かったでしょう。売る側にとっては、演技がクソでも話題になったもの勝ちというのは当然の理屈ですね。稲波さんも『未熟な声優は自分たちで育てればいい』と語っていましたが、実際問題として、1クールのアニメで新人同然の声優さんをモノになるレベルに育成できるかか否か、些か疑問ではあります。しかし、否、そうであるからこそ、本作でいうギブリ級の大手の製作会社には、長期的な声優の発掘と育成に尽力して欲しいという願望から発した台詞ではないかと思えました。
それと、第2期に入ってからは本作も結構毛色が変わってきたといいますか……今までは『ぷる天』とか木下監督やタローの為人に代表される業界の自虐ネタがメインの作品でしたが、みゃーもりが名実ともに主人公になって以降は矛先が外に向いた感じですね。次回のタイトルになっていたちゃぶ台返しをやらかした茶沢信輔とか、子安ヴォイスのスポンサーとか、非常に判りやすいヒール描写で、今までの本作では見なかったタイプのキャラクターです。正直、作家性と商業主義の安易な対立という構図は好きじゃないんですけれども、第1期で業界の悪い点を自虐的に描いてきたので、第2期くらいはいいたいことをいわせてあげてもいいように思います。
個人的に好きなのはナベPの接待麻雀のシーン全般。麻雀監修でもついているんじゃないかと思えるくらいにストーリーとリンクした手なんだよなぁ。今回も仕事が順調に進行している分、逆に不安を感じているであろうナベPの心情と手がシンクロしているんですよ。ナベPの手は三萬頭の中暗刻、三・六筒待ちの一通テンパイなんですが、ここに持ってくる四枚目の中が憎い。中をツモ切りするか、カンしてドラを増やすか、抱え込んで雀頭の三萬を落として混一を狙うか、なまじ手がいい分、余計に判断に迷うシチュエーション。捨て牌を見ると中盤以降なので、三萬落としは結構リスキーでしょうし。何れにせよ、確実にいえるのはナベPはガチで麻雀強そうということでしょうか。
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徒然感想日記 ~2015/09/01~
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