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『ハートキャッチプリキュア!』(再)第37&38回簡易感想(ネタバレ有)

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2話分まとめての感想記事。37&38回は30分にまとめることはできないけれども、一本の話と考えたほうが通りがいいので、敢えて一週間更新しませんでした。サボっていたワケではありません、念のため。今回のポイントは3つ。

1.砂漠の王

遂に地球を射程圏に捕えたデューン様。挨拶代わりとばかりに秘密兵器のデザードデビルを発射。コイツが地球に降下する様子は中の人を考えるとオペレーション・メテオにしか見えないのは御愛嬌。登場したてのヒイロはガチで頭のネジがぶっ飛んだ奴でしたからねぇ。目標を撃墜して高笑いとか。まぁ、後半に入ると多少、まともになったように見えますが、単に寡黙さが中身の可笑しさを隠していただけ。人間の本質は変わりません。
今回気づいた点としては『何で砂漠の王なのか』という根源的な疑問。確かに本作の主題である花の対極にあるのは砂漠化ですけれども、実は本作ではデューンが世界を砂漠化する動機、愛情を憎む動機は結局描かれないままなんですよ。この点が本作に対する私の数少ない不満点でしたが、実は今回見直すと『描かなかったんじゃなくて描けなかったんじゃないか』と思えてきました。キーワードは、

キュアムーンライト「悲しみの連鎖は誰かが歯を食いしばって絶ちきらなくてはいけないのよ」

という台詞。これ、ラストバトルでつぼみがゆりを制止する時にいったのは覚えていましたけども、ここでも語られていたのか。両方ともデューンが出てくる回なので、これがデューンへのメッセージとして設定されているんじゃないか。そして、このテの台詞がアニメ界で多く取りざたされるようになったのは21世紀に入ってから。そう、あの【禁則事項です】以降ですね。『種』とかも、これがメインテーマでしたし。そう考えると砂漠の王というのは【禁則事項です】の暗喩なのかなーと思えてきました。これは流石にプリキュアで正面きって描けないので、ああいうモニョッとしたラスボスになっちゃったんじゃないでしょうか。

2.試練の意味

花咲薫子「誰も本当の自分を知るのは不安だわ。弱かったり、ちっぽけだったり、くだらなかったりしたら悲しくなる。でも、誰でも変わることはできる。本当の自分から逃げないで本当の自分を知るの。それが自分が望まない姿でも受け入れなくちゃいけない」

キュアムーンライト「最後の試練を乗り越えて気づいたことがあるわ。砂漠の使徒を倒すにはプリキュアがただ力をあわすだけじゃ、ダメ。一人一人が成長し、自立して、そのうえで力をあわせないと」

日曜朝八時半に放送していたとは思えない重い主題。いや、おジャ魔女はもっと重い回がありましたか。それは兎も角、単に徒党を組むだけではダメ。一人一人が自立して初めて仲間になる意義が生まれる。そのためには自分の本当の姿から逃げてはいけないとは厳しいお言葉。大抵の作劇だと本作のブロッサムミラージュのように『貴方は貴方のままでいい』というのが王道ですが、そんな甘っちょろいコトでは自分も他人も守れないのも事実です。昨シーズンのハトプリで『話しあうためには相手と同等の力がなければいけない』という主張があったように、プリキュアの主題は甘くない。それこそ、今回のゆりさんの言葉は今年の『プリキュアASNS3』の、

人は自立して初めて夢を追うことができる

という主張に通じるものがあります。自分から逃げるな。過去の自分を否定するな。受け入れたうえで未来に目をむけろ。そして、戦え。うーん、重いです。
試練でブロッサム一人が遅れたのは番組の構成上の都合でしょうけれども、敢えて深読みしてみるとブロッサムには自分の過去やコンプレックスと正面から向きあうイベントがなかったんですね。えりかもいちゅきもデザトリアン化の際に向きあっている。ゆりさんも4週間かけての復活劇で過去との対峙を強いられている。でも、つぼみは己のコンプレックスとド正面から対決する回は殆どなかった。それゆえ、試練に手間取った。しかし、これは別につぼみの弱さじゃない。他の人のために頑張って自分のことが後回しになっていただけ。つぼみの優しさゆえの足踏みと見てやるのが正しいんじゃないかと思います。

3.スーパーシルエット

ブロッサムマリンサンシャインムーンライト「花よ、咲き誇れ! プリキュア、ハートキャッチオーケストラ!」

メリケンサック装備した身の丈数千メートルの女神さまが鉄拳制裁食らわす技のどこがオーケストラなんスか。

音楽の要素ってタクトとタンバリンだけですよね。他のアニメ・漫画作品を含めても、これほどのインパクトを誇る必殺技は見たことがねぇ。誰だ、こんな頭の悪い必殺技を考えた奴。出てこい、一生ついていきます。一応、浄化技ということで御約束のタクト&タンバリンくるくるする場面ありますけれども、それ、いらねーよな。あの鉄拳が落ちてきた段階で死んでいると思います。今後も何回かデザトリアン化した一般人を救うことがあるんですが、これじゃあ、助かるものも助からないんじゃないかと。

次回から遂に第4クール突入。ますます激化する砂漠の使徒との対決……と思いきや、夏休みの宿題回に勝るとも劣らないえりかの馬鹿話です。最終決戦前のキャラクター再掘り下げ回なのですが、ゆりさんのおねショタ回、いちゅきの生徒会回、つぼみの新しい家族回に比べると、この扱いはひどい。まぁ、それがえりからしいんですけれどもね。

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