一月の記事でも触れたように再来年の大河ドラマは三谷さんの『鎌倉殿の13人』に決定しまして、その時の私の心境たるや、控え目にいっても、
でしたが、先日飛び込んで来た、
のニュースを知った時は、
と昨年の『葵~徳川三代~』の再放送が決まった時と同じ心境になりました。しかも、その数分後には、
「銀河英雄伝説Die Neue These」4/6からEテレで放送決定!
となり、その一時間後には、
「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」全47回を一挙放送! BSプレミアム・BS4K同時放送が決定!
とひとしきりハッスルした挙句、
と精神上の過呼吸状態に陥った次第です。NHKはどうにかなってしまったのか? 『ぶっ潰す』とかいわれて、漸く本気を出したのか? 『鎌倉殿の13人』のニュースを知った時には『迂闊に死ねない』と思いましたが、こうもビッグ&グッドニュースが重なると死ねないどころか俺は今年中に死ぬんじゃあないだろうかと逆に不安に駆られる始末。一応、昨年末の健康診断の結果は『概ね正常』でしたが、もう一度、何処かで精密検査を受けておきたくなりましたよ。しかし、昨年のオフ会前に受けた検査結果が二月中旬に届くって……要・精密検査の項目があったら手遅れになるかも知れんやろが。
三作品とも再放送なのでクオリティに関する心配は全く不要ですが、それだけに撮り直しや再編集は不可能なので、当時の出演陣に何事も起きないことを祈るばかりです。これは極論だがね、銀英伝の第二クール終了後は石黒版で続きを放送したらどうだろう? それと絶対にNHKで、
『銀河英雄伝説大投票』
をやりそうですよね? というか、むしろやれ。俺が許す。ランキングベスト10は、
第1位 魔術師
第2位 寄生木
第3位 赤毛
第4位 義眼
第5位 オッドアイ
第6位 不良中年
第7位 メシマズ
第8位 疾風
第9位 猪
第10位 金髪
になるとガチ予想してみます。次点候補は鉄壁か爺さん。2位と9位はネタ枠で票を獲得しそう。逆にクロスワードや不良中年とのコンビで光る撃墜王は意外と伸びないと見た。企画も発表されていない(というか、完全に妄想の域に留まる)時点でいうのも何ですが、ネタで投票が許されるのはヨブちゃんまでだぞ! フォークやラングやオリベイラはOUTやぞ! 銀河の民の民度が問われるからな!
それにしても、これでますます、来年の『晴天を衝け』の影が薄くなるなぁ。そろそろ、追加情報を出さないとマジで忘れ去られるぞ。友人も『来年の大河は三谷さんでしょ! 楽しみ!』と満面の笑みで語っていたからなぁ。訂正するのは惜しい笑顔なので、こちらは曖昧なジャパニーズスマイルでお茶を濁しておきました。スマンな。取り敢えず、キャスティングに関しては、主人公の両親の角野卓造&近藤春菜に続いて、
徳川慶喜……藤原竜也
を希望します。ガチクズ路線・切れ者路線のどちらにも持っていけそう。
……随分と前置きが長くなってしまいましたが、今週の『麒麟がくる』の感想に入りましょう。今回もいい点と悪い点がハッキリと分かれる内容でした。総体的には7:3で悪いほうが上回ったかなぁ。
1.よかった点
松永久秀「弓矢や槍なら躱せる……だが、鉄砲の弾は躱せない。銃口を向けるだけで相手の動きを封じることが出来る。弾が当たるかどうかではない。鉄砲の恐ろしさをお互いが知っていれば、気楽に攻め込むことは出来ん。戦のありようは変わるぞ」
爆弾正が語る戦争抑止力としての鉄砲装備論。実際の戦場では弓矢も滅多に躱せないという浪漫のカケラもないツッコミはさて置き、なかなかに興味深い視点でした。一見すると突飛な発想に思えますが、鉄砲以前の中世ヨーロッパではクロスボウが余りの威力に戦争での使用を禁じられる先例がありましたので、強ちあり得ない話ではありません。尚、異教徒への使用は許された模様。やキ鬼。それは兎も角、相手の即応能力を上回る兵器を装備して、戦う前にビビらせちまおうというケチな発想は古今東西の歴史において、幾度も繰り返されてきたのは確かです。第一次大戦以前は機関銃、第二次大戦以前は核兵器が同様に『戦争抑止力兵器』の機能を期待されていました。尚、現実は【御察し下さい】。『相互確証破壊論』とかいう頭文字通りのMAD思考、ほんとクソ。
ともあれ、こうした歴史を踏まえたうえでの新しい概念の創作は大歓迎です。単純な平和思想ではなく、作り手側の一捻りがあるのは嬉しい。しかも、その思想が平和に直結するどころか、
松永久秀「鉄砲の数はそれぞれ百丁を上限として持つというのは如何かな?」
三淵藤英「左様な数合わせには同意しかねる」
という某ロンドン海軍軍縮会議のような水面下の足の蹴り合いまで描いてくれるのは嬉しいかぎりでした。
鉄砲絡みでは序盤の、
明智光秀「これを組分けにして、中身を見てみたいのじゃ!」
のシーンもよかった! オモチャを買ったら分解したくなる。十兵衛も男の子やね。ここは特に男性視聴者は感情移入出来たのではないでしょうか。同じく鉄砲ではアバンタイトルでの、
明智光秀「もそっと右に向けます……ああ、行き過ぎです……さよう! では、指をお引き下さい」
斎藤道三「うむ、判った、こうだな……よし、引けばいいのだな!」
明智光秀「どうぞ!」
うーん、この抜き書きすると微妙に悩ましい台詞。鉄砲は男の子の武器。はっきりわかんだね。あとは出張費を2/3に値切ろうとする道三とか、灸を据える爆弾正とかも微笑ましかった。後者は爆弾正の最期に繋がる布石ですね。そして、山路和弘&吉田鋼太郎とかいう天下を取れないほうがどうかしているコンビも存在感あり杉内。ちなみに嫁は上杉謙信公。勝てない(戦国BASARA感)。
2.悪かった点
よかった点以外の全部。
いや、全部が悪いのではありませんが、要所要所で素敵なシーンは結構あるのに、それらを繋ぐ普通のパートがどうにもシャッキリしないんですよね。『その台詞や場面転換は本当に必要ですか?』と思える箇所がある反面、丁寧に説明しないと意図が判らない難しい箇所も多くて、内容の善し悪し以前に見ているとリズムが崩される感覚に陥るのよ。
冒頭での伊平次を巡る十兵衛と伝吾の会話とか『酒癖の悪い刀鍛冶の伊平次が国友村にいるかも』という話を一分以上かけてじっくりねっとりと交わしているのですが、実際に書き起こすと二十文字くらいの情報量に費やすには長過ぎる時間でした。同じように十兵衛が本能寺前で細川藤孝とバトる場面も時間をかけた割に情報量が少なかった。十兵衛の『ここは本能寺ですか?』という英会話の教科書的な問答から始まって『中にはここから入っていけばいいのか?』とか『お侍だらけで誰も入れない』とか『公方様がおられる』~『公方様?』~『足利義輝様』とか、パッと見れば判る&一度聞けば判ることを繰り返すのよ。そんなこといわなくても、だいたい雰囲気で判るからササッと本筋に入って欲しいのですが、勿体つけ感が半端ない。逆に三淵と爆弾正の手勢の押し問答は『何でコイツらが険悪なのか』の事前情報がない人は凄いストレスが溜まったのではないでしょうか。
この辺、単純に撮影の不手際かとも思いましたが、現場は現場で凝ったことをやっているのですよ。十兵衛VS藤孝の殺陣は、
太刀を相手の死角に隠す藤孝~十兵衛の構えで『同門か』と気づく~当初の構えの手の内を知られているのではないかと考えて通常の構えに戻す藤孝~一合で十兵衛が手練れと気づく~やはり、自信のある当初の構えに戻す藤孝
といった具合に台詞なしでも藤孝の心理が伝わって来るので、現場も気合が入っているのでしょうけれども、
これは極論なんだがね……本編をギュッと絞ったら半分くらいの尺に収まるんじゃあないのか?
と思えるのも事実です。
市販のガイドブックのストーリーには、十兵衛と藤孝のバトルに至る具体的な台詞の遣り取りはないようなので、或いは脚本を台本に起こす段階での情報の取捨選択がうまくいっていないのではないかとの仮説を掲げてみますが、何れにせよ、このもっちゃりと間延びしたリズムが本編を楽しむうえでの阻害要因になっています。毎年恒例の『今年の大河ドラマを食べ物に喩える企画』ですが、現時点では、
料理の美味しいピストル大泉大河
になるでしょうか。『料理が美味しければいいじゃん』と思ったそこの貴方、ピストル大泉の怖さを御存知ないようですね。あれはコース料理のくせに次の皿が出るのに一時間半かかるのですよ。あまりにもリズムが悪い。まぁ、そんな感じで本作もピントの合わせ方が判ってきたので、次回以降の視聴に繋げていければと思います。少なくとも、
みたいな周回遅れのクレームに賛同する気はありません。藤村志保さんの一件から何も成長していない……。『真田丸』で有働さんを器用したら『ニュースを見ているようでドラマに集中出来ない』というクレームもあったのですが、それは。今年のナレーションは素敵ですよ。底意なく、海老蔵さんであることを忘れるくらいにクセのない、いいナレーションと思います。少なくとも、
去年のよりは聞き取りやすい
です。つらいです……『いだてん』が好きだから……。それにしても、本当に日本のメディアって奴は……冒頭で触れた『NHKをぶっ潰す』という政治公約に私が賛同出来ない(個人的に考えるのはアリ)のは、NHKを庇う意図ではさらさらなくて、あそこをぶっ潰したら他の同レベルのメディア≒日本の殆どのメディアも平等に潰さなくてはいけなくなるからです。新聞なき国家と国家なき新聞なら、泣いて後者を選ぶのが私の主義なので。
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