昨年、拙ブログで『閃光のハサウェイ』と絡めて記事にした環境活動団体を称するマフティーの尻尾による新たなる騒動。当該記事で連中の言動を支持出来ない理由として『目的のために正当化された手段の矛先が何時自分に向くか判らないこと』と述べましたが、思想信条の如何を問わず、このテの行為をいいやいいやで放置していると粉末塗料が火薬に変わるのも時間の問題であることは、ここ数週間の日本が身を以て証明したといえるでしょう。犯行動機を究明することと犯罪を否定することは本来両立し得る筈ですが、万人が等しく遵守すべき法秩序よりも加害者擁護に重きを置く論調、及び『明治政府の首脳陣にも同様の罪を犯した奴がいた! そういう人物を紙幣の肖像や大河ドラマで取りあげるのをやめてから犯人を責めろ!』と時代背景も因果関係もガン無視したどっちもどっち論で煙に巻こうとする輩を見ていると、結果的に『犯人に名前を与えるな』という臭いモノに蓋理論が最も無難な対応ではないかとの風潮が蔓延るのも至当のナリユキと思います、いい悪いは別として。まぁ、現在報道されている動機の推論が正しいと仮定してもワイドショーはクソだけどワイドショーを真に受けて犯罪に奔る奴はもっとクソ&被選挙権年齢を引き下げれば自分たちが勝つと本気で思い込もうとしている界隈の現実逃避思考に呆れてモノも言えないってだけの話ではあるのですが。
尚、昨日の仕事中に、
久しぶりに腰をやってしまったため、今回の記事は短め&次回の更新は未定です。暫くはパソコンやスマホよりも座薬が手放せない日々が続きそう。
まずは大河ドラマの感想から。
前々回は相当辛目の評価をしていた『どうする家康』でしたが、前回今回は善くも悪くも本作らしい内容で個人的には楽しめました。まず、金ヶ崎の戦いはお市の方の小豆袋という有名な逸話をベースにした阿月というオリキャラを通じて、金ヶ崎の退き口に至る経緯を描いた点は評価したい。これが何の元ネタもない完全オリジナルとしたら噴飯ものの内容ですが、今回は元ネタがあるからね。そこは歴史劇としての最低限の筋は通したと思う。一介のオリキャラ女性が三英傑の命運を左右したという設定は些かバランスの悪い構成ではありますが、阿月は『戦国の女だって信じる主君や自分の志のために生命を賭していいんだ』とのメッセージとして描かれたのでしょう。この辺は西郡局の百合設定よりも余程好感の持てる設定であったと思います。
また、家康だけが事前に浅井離反の可能性を指摘出来たのも、織田家中枢にいないからこそ、純粋に朝倉の進軍と浅井の動きを不審に感じたんだろうとの印象を受けました。時間をかけて推し量るよりも直感に従うべき時がある。浅井を知る者ほど『彼が離反する』とは思わなかった=織田家と徳川家の温度差は巧かった。家康の進言を退ける十兵衛の理屈も『戦場における流言蜚語は思わぬ敗因になる』というキチンとしたロジックに基づくものでしたので、これは主人公age&十兵衛sageにはならないんじゃないかな。そもそも、家康の疑念の発端となったのは数正の進言由来なので、これは悪しき主人公ageではなかったと思います。
ただ、阿月のシーンは『要るか要らないか』の二者択一を迫られたら要らないシーンであるのも確かです。正信の幼馴染の件といい、要所要所でオリキャラを通じて歴史上の出来事を描くのが本作のスタイルとはいえ、一話限りのオリキャラを掘り下げている暇があったら、有名な史実や逸話をやれという気持ちも理解出来る。今回は個人的にオリキャラストーリーが面白かったから許せただけで、合わない人には認められない内容であったのも納得。実際、阿月のマラソンの尺を金ヶ崎の退き口に使って欲しかったよ……まぁ、その分、姉川の戦いの合戦シーンは短時間ながらも見応えのある映像でした。ここ数年の大河ドラマの合戦シーンはショボいのが通例になっていたからなぁ。金ヶ崎と姉川という大規模合戦が連続するので、どちらかに予算を振り分けるための苦肉の策としての阿月であったのかも知れません。
その姉川の戦いは家康が信長を裏切るか否かを見定めようとして浅井の反応が遅れたというオリジナル展開。通説での徳川軍の常識外れの強さに対する一つの物語的解釈としては斬新で面白味がありました。実際、姉川の戦いの徳川軍って後世の徳川史観で盛られたんじゃあないかと疑われるレベルの活躍なので、これも史実ベースのアレンジとしては一定の評価に値すると思います。信長を裏切ろうとする主人公の、
徳川家康「つらいです……浅井殿が好きだからじゃ!」
という新井さん&ヨン様リスペクトな妄言を『義なんてものはキレイゴト! 屁理屈に過ぎませぬ!』&『あのぐっちゃぐっちゃをもう一度やりますか?』と一蹴する酒井&石川両巨頭の現実を見据えた反論で封じられるのもベネ。どう見ても『天地人』への当てつけで草生えますよ。本作は危ういところは多いけれども、アンチスィーツという点で概ね信用出来るのが有難い話です。関ケ原の戦いにおける金吾のポジションに家康を置くとか、なかなか思いつかないよね。
とはいえ、現実問題としては三河への帰路が保障されていない家康が浅井朝倉につくか否かで悩むのかという根本的な疑問は拭えないところ。如何に手元に軍勢があるとはいえ、敵のど真ん中に置き去りにされた状態から三河に逃げ帰るプレ伊賀越えになりかねない状況ですからね。ストーリー的な面白さのためには基本的な設定に無理が生じても構わないという本作の姿勢を象徴する回であったと思います。そんな訳で私的には前回&今回は氏真回と同じく面白けどボツかなという評価。
次はこれ。
全編を通じてベルモットのお色気シーンを見せつけられるというリサリサの着替えを覗くジョセフのような心境になった今年の劇場版コナン。登場した女性キャラクターでは彼女が最年長で大御所と呼べるポジションにも拘わらず、率先して身体を張った撮影に応じるベルモットさんマジムービースターの鑑ですね。序盤のえちえちダイビングスーツ、中盤のネグリジェ姿、終盤の各種変装と様々なファッションを披露したベルモットの色気に、思春期に少年から大人に変わる観客がおはDに目覚めた可能性大。ベルモットのシーンだけ作画のクオリティが高過ぎでした。その分、クライマックスでの一般人の避難シーンは色々と端折り過ぎた感が否めなかったです。流石にあの僅かな時間で中枢部から外に出るのは無理があるやろ。
MVPは熟練の小悪党ムーブで観客のヘイトを煽ったウォッカさん。『オメーのせいでアイツが死んだんだよ』と種﨑さんにオラつくウォッカさんの研ぎ澄まされた小悪党っぷりが素晴らしい。ウォッカさんってジンとかいうしょっぱいヒールエースを際立たせるための名ジョバーよな。キールのアホ丸出し(を装った)質問にも丁寧に答えてくれるウォッカさんが優し過ぎる件。内容は櫻井武晴らしい相棒とコナンを足して2で割ったストーリー。国家規模の顔認証システムは同じ櫻井脚本の『神の憂鬱』を思い出しました。また、現在の日本が真っ先に取り組まなければならない分断とは人種でも性差でも宗教でもなく、世代間差別であるという主張も今季最終回SPを彷彿とさせましたね(こちらは輿水脚本でしたけれども)。尤も、ミステリものとしては事件が起きる前に犯人に気づいてしまったので、そっち方面の期待はしないほうがいいかも知れません。あくまでも劇場版らしいアクションがメイン。まぁ、劇場版コナンは概ねアクションを楽しみに見に行く訳で、内容的にはレンタルやTV放送でも充分ですが、SNSでネタバレを喰らうのは嫌だから早目に見ておきたいという動機はあると思います。特に今回は黒の組織メインということで、ジンニキがどんな迂闊をやらかすかに期待していましたからね。そして、期待通りというべきか、今回は、
ジンニキ、痛恨の既読スルー
でまたしても黒の組織を壊滅に追い込みかねない銀の弾丸を見逃してしまう醜態を披露。あの場面、劇場で笑いを堪えるのに苦労しましたよ、いい意味で。ともあれ、このSNS全盛時代は利便性と引き換えの、話題作のネタバレ回避も楽じゃないというお話。今季アニメの『推しの子』のように第一話90分SPで序盤最大の山場までを一気にやってしまうというのも、或いは今後の製作者サイドのネタバレ回避としてスタンダードになっていくのかも知れません。
尚、今季は『推しの子』の他にも『天国大魔境』『山田君とLv999の恋をする』『水星の魔女』に注目。実写ドラマでは『波よ聞いてくれ』が面白そう。平野綾がシレッと顔出しレギュラー出演していて驚いた。しかも、スゲーいい芝居するのよね。あまりにもドラマ慣れしていて、途中まで遊井亮子さんかと思いましたよ。めっちゃ雰囲気似ているのよね。