番宣スペシャルでお休みとなった今週の『西郷どん』。クオリティは兎も角、日常生活のリズムに組み込まれている番組がないのは些か戸惑いましたが、今月はリアルでお迎えしたり、こちらからお出かけしたりとビッグイベントが目白押しなので、丁度よい休養と前向きに考えることにしましょう。如何に大河に飢えていても、流石に『軍師官兵衛』の再放送を見る気にはなれなかったよ……。今週も先週に続き、軽目の内容の徒然日記。話題は三つ。内容的にも先週と半分近く被る題材ですが、特に気にするな。私も気にしない。
1.『ゆるキャン△』の再放送も見るよ!
本放送が好評を博したのでしょう。今日の深夜から早速、再放送が始まる『宇宙よりも遠い場所』。見逃した方には是非、御視聴をオススメしたい。ストーリーものにも拘わらず、一話一話にキチンと起承転結があり、全編を通じて『捨て回』が一つもないのが凄い。更に先週の放送では『名作の条件は最終回でコケること』という流れ星超一郎理論を、まさに『宇宙よりも遠い場所』まで跳ね飛ばすレベルの完璧過ぎるフィナーレを飾ってくれました。
信じて送り出してくれたヤンデレ系幼馴染が主人公に感化されて地球の裏側からドヤ顔ダブルピース画像を送ってくるなんて……。
『風雲児たち』『宝塚版ルパン』と共に今年のベスト10最有力候補です。今から振り返ると『風雲児たち』は元日SPドラマで『よりもい』は正月二日放送開始の作品でした。今年は新春から豊作過ぎるぜ。
尤も、こう書くと『よりもい』が完璧なアニメのように思う方もおられるかもですが、実際は突っ込みどころもあるので悪しからず。私が気になったのはキャラクターの言動が色々と間尺に合わないことでしょうか。報瀬と藤堂隊長の関係とか、毎回毎回終盤で溝が埋まったような展開が描かれるにも拘わらず、次回になると恰も春木美空にリセットされたかのようにギクシャクした間柄に戻っているのよね。あと、最終回で報瀬が観測所にお宝を置いて来る件。これは報瀬が母親の身に起きたことをキチンと受けとめた&もう一度南極に戻ってくるという決意を象徴する、神展開続きの最終回でも屈指の名シーンなのですが、冷静に考えると報瀬が何時『お宝』を観測所に置いてきたかが謎。報瀬が母親の一件を受けとめたのは観測所からノーパソを昭和基地に持ち帰ったあとなので、時系列的に辻褄が合わないのよね。本編で描かれなかっただけで、あのあとも何度か観測所に赴いたのかも知れませんが、母親の件で一度は連れて行かない訳にはいかなかったにせよ、何度も女子高生を同行させられるほどに安全な場所でもなかったからなぁ。
まぁ、全体的に思い返すと色々と矛盾や疑問も多い作品ですが、しかし、先述のように毎回毎回の起承転結がキチンとしているので、一話一話をリアルタイムで見る分には全く気にならないのも確かです。既にDVDも発売されていますが、一気見ではなく、TV放送と同じように週一本のペースで鑑賞するのがオススメ。
逆に連続で見て大正解と思ったのは、こちら。
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『姉川・石山編』に先駆けての、第一期第二期一挙放送で鑑賞しましたが、これ、本放送の五分枠で見たら、続きが気になってストレス溜まりそう。三期をリアルタイムで見るべきか否か、判断に迷うところです。それにしても、信長の天下取りのために鬼神の如き武勇を振るい、敵の強者と戦う主人公って……これって女の子版・修羅の刻じゃね? 取り敢えず、これも今年のベスト10の候補作品。
2.井浦新さんをパネラーに呼ぶべきでした
『平清盛』を楽しんだ視聴者としては、見逃す訳にはいかなかった『英雄たちの選択~崇徳上皇の涙~』……ですが、何時もよりも題材への踏み込みが甘かった。司会者もパネラーも崇徳院に関してはおっかなびっくりで語っていた印象ですね。まぁ、崇徳院は日本史でも特異点的存在なので、しゃーないっちゃあ、しゃーない。その反動でしょうか、院と手を結んだ悪左府に関しては全員が全員、イキイキと意見を述べておられました。悪左府、愛され過ぎ。この好感度を生前にGETできていれば、日本史は変わったかも知れません。
それでも、見所がなかった訳ではなく、磯田さんの『易姓革命の思想がない日本史における怨霊の役割は、権力者が常に襟を正すように監視する野党のような存在』という主張は面白かった。確かに本邦には己の意に沿う神輿を担ぎ出そうとする連中はいても、自分が取って代わろうとする輩は滅多に現れません。これは近世以前の日本史の一番面白い箇所なのですが、同時に最大の問題点でもある訳で、要するに朝廷の自浄能力が致命的に欠けた要因なのですよ。トップが如何なる悪政や痴政に耽ようとも、それを物理的に糺す者がいないのですから、政権に歯止めがかからない。それこそ、崇徳院の時代でいうと、清盛や頼朝のような人物が朝廷に取って代わってもおかしくないのですが、そうはならない。特に鎌倉幕府は腐敗した朝廷を打倒するのではなく、朝廷と関係ないところに自分たちの自治政府を作った訳ですね。野党から与党を目指すのではなく、自分たちが与党になれる場所を作ろうとするのが日本史的発想。このように生きている人間が概ね与党志向ですから、生者=与党を監視する役割を怨霊が担うのは、ある意味、必然のナリユキといえます。これが日本史の面白さですね。
尤も、大事なことなので二回いうと『一番面白い点が一番の問題点』で、怨霊に権力を監視させてきた社会では現実の野党が育ちにくいのではないかと思います。今年の大河ドラマの主人公である西郷隆盛。この人物の人気の高さ、特に西南戦争直前までの異様な人望について、何方かが『今日まで続く大久保主導の絶対的・与党&官僚制度に対する野党への期待値ではないか』と評しておられましたが、その与党や官僚を打倒するべく、兵を挙げた西郷擁する薩軍がイの一番にやったことといえば、
熊本城でヒャッホイブレード
という政治性や戦略性の欠片もない、目の前に敵がいるから叩くという類の、思考というよりも脊髄反射に近い行為でした。この辺、現在の政界を騒がせている一連の騒動にも通じるところがあるようで、アリテイに申しあげるとド素人が指す詰将棋のようで見ちゃおれんというのが正直な感想です。他に幾らでも採るべき手段がゴロゴロと転がっているように見えるのですが……勿論、野党がアレだからといって、無条件に与党を支持するつもりはありません、念のため。
3.ジャンル別私的ガンダムベスト3
『西郷どんSP』に続いて、録画しておいた『歴史秘話ガンダムヒストリア』も鑑賞。NHKでのガンダム特番ということで、無駄に期待値高かったですが、内容的には拍子抜け。特に新しい情報や解釈は出なかったからなぁ……まぁ、その辺は本来の『ヒストリア』も同じなのですが。善かれ悪しかれ、一番驚いたのは『ガンダム総選挙』の中間発表でした。おまえら、止まるんじゃねぇぞさんで遊び過ぎだ。いい加減許してやれ。尤も、これはこれで選挙の集計に手を加えていないことの傍証といえるかも。
尚、完全に蛇足ながら、各ジャンルの私的ベスト3は以下の通り。
作品ベスト
一位 逆襲のシャア……主題歌以外は全て完璧という『オルフェンズ』と真逆の至宝。
二位 0080……内容以上に、この作品を山賀博之氏が作ったことが一番の驚き。
三位 Z……UCと迷ったが、最初に見たガンダム作品ということでこれ。
キャラクターベスト
一位 シャア……『バブみ』という性癖を先取りした変態仮面。御大は未来に生き過ぎ。
二位 ナナイ……マザ・ロリ・シスの三重苦の男も愛せる盲愛の人。CVも完璧である。
三位 アズラエル……有能なフォーク准将。権力者が唱える正論の横暴さを体現した人物。
MSベスト
一位 キュベレイ……シンプル・イズ・ベスト。機能美は自然美に通じる。
二位 ガンダムエクシア……キュベレイと真逆にアンバランスな武装とデザインがツボ。
三位 デルタプラス……映像化された可変機では一番好き。問題はパイロットである。
テーマソング
一位 暁の車……『金八』&『世情』という作品と音楽の歴史的マッチングを凌駕した逸品。
二位 時空のたもと……wikiのガンダムシリーズのアニメソングに入っていないだと?
三位 哀・戦士……この曲のテーマ性は100年経っても廃れないと思う。
取り敢えず、以上でしょうか。尚、ガンダム総選挙については歴史の立会人を気取っていたいので、参加しません。
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