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徒然日記 ~2017/09/30~

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ここ数日、国政に関する情勢で色々と騒がしい世情。国内問題よりも対外事情が大きく絡んでいると思われます。相変わらず、日本は外圧がないと変わらない国ですね。まぁ、その程よい鈍感さが心地よくもあるので、そこまでせずともよいのではないかと思わないでもありません。尤も、伝家の宝刀を抜いた側は規定の手順とルールを順守しているので、文句をつけるのは筋違いでしょう。むしろ、ここ半年ばかりの間、相手に宝刀を抜け抜けと迫っていた側が右往左往している様子のほうが遥かに面白い。行住坐臥、闘いといわねばならぬ政治家が、テメェで真剣勝負を挑んでおきながら、相手がダンビラを抜き放った途端に卑怯とかアンフェアとか弁明する姿は、先に手をあげておきながら、ウォンさんにボコボコにされるや否や暴力はよくないと言い訳したカミーユに近いものを感じます。どちらの政策を支持するかという話ではありません、念のため。

あ、今年の十一月末に何とか休暇を取って、遠出したいと考えていますが、上京できるか、或いは長野でのイベントに参加するかは現時点では未定。何れにせよ、詳細が決まったらブログで御報告致します。そんな今回の話題は3つ。

 

 

1.的中率25%

 

「ラインハルト役に宮野真守さん、ヤン・ウェンリー役に鈴村健一さんで『銀河英雄伝説 Die Neue These』2018年4月放送決定」

 

このブログでも何度か記事にした銀英伝のリメイクアニメ。制作発表以降も殆ど具体的な進捗状況が公表されないという、恰も原作者の悪癖が継承されたかの如き状態が(少なくとも表面上は)続いていましたが、ついに先日、主要キャストが発表となりました。凄くホッとした。私のように実写でもアニメでも、キャスティングの公開=プロジェクトの完全発動と考える視聴者は少なくないと思うのですが、如何でしょうか。

さて、当ブログではアイゼナッハ、マリーカ、フォークという、誰も率先して予想しないであろうキャラクターのキャスティングを考察してみましたが、実は友人との駄弁りで『ラインハルトには宮野さんが選ばれるのではないか』と語っていたので、今回の選出は嬉しいかぎり。ホントだよ? 後出しジャンケンじゃあないよ? まぁ、フレデリカが『宇宙で二番目の美男子』と認めるほどのキャラクターである以上、

 

万人が認める硬質系若手イケメンヴォイスの最大公約数

 

になるのは必然であり、そうなると現時点では宮野さんが選ばれるのを予測するのは難しくはありませんでしたが、予想と願望が同時に満たされたのは喜ばしいことです。

一方、かなり意外な選出に思えたのが鈴村さんのヤン。このオーディションにはフレデリカが一枚噛んでいるとしか思えない……それほどのイケメンヴォイスです。いや、先代のヤンを演じた富山さんもイケメンヴォイスではあったのですが、ヤンというキャラクターは『銀英伝』の世界を演劇に例えると座長のポジションじゃあないですか。もう少し御年輩の方がキャスティングされると思っていたので、非常に驚きました。このヤンはゼークトに向かって、

 

「また戦争をしたいのか! アンタたちはー!」

 

と絶叫しながら、半ギレ気味でトゥールハンマーを撃ちそう……あれ、そんなに旧アニメ版と変わらない? ともあれ、ヤンが鈴村さんとなるとフレデリカに真綾さんの登板もあるで。外伝『螺旋迷宮』で二代目フレデリカを演じた桑島さんの続投を予想していましたが、真綾さんは実力的にも話題性でも申し分ないので、これは『レクリエイターズ』に続く夫婦共演になるかも。あ、ヒルダは甲斐田裕子さん、ミッターマイヤーは佐藤拓也さんのダウントンカップルでお願いします。

キルヒアイスは『鉄血』のユージン……根っからの副将声なんやね(小並感)。そして、本作で最も重要……少なくとも、一番台詞数が多いであろうナレーションは『ガンダムさん』のカイ・シデン……つまり、前作のポプランがナレーションということかな?(錯乱)

 

 

2.いずれも今年のベスト10入りは難しいかも(ネタバレ有)

 

9月に入ってから、昨年~今年の本放送&映画館で見そびれた作品を立て続けに鑑賞する機会に恵まれたので、ざっくりとした雑感レポート。まずはこれ。

 

鬼平 Blu-ray BOX鬼平 Blu-ray BOX
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視聴した知人友人の評価は完全に真っ二つに分かれていたので、ギャンブルの要素が大きかったのですが、結論から申しあげると普通に楽しめる作品であると同時にそれ以上の作品ではなかったという感想です。ストーリー的には充分面白かったとはいえ、原作やドラマを越える、或いは異なる魅力があったかといわれると疑問。アニメならではの面白さに乏しかった。尤も、一昔前は兎も角、今現在の時代劇でアニメ版ほどのクオリティを有した作品を撮れるかと問われると非常に心許ないのも事実ですが……。

本作の面白さというか、魅力は全体の構成の巧さでしょうか。ドラマ版第一期第一話の『暗剣白梅香』を第一話ではなく、一クール作品の最初の要となる第三話に持ってくるチョイスには唸らされました。『暗剣白梅香』は単品作品としても面白く、掴みとしては申し分ないのですが、これを第一話に持ってくると、あとがキツくなるんですよねぇ。続く第四話はエロスとスリルとバイオレンスに溢れた『血闘』。第五話に軽妙なコメディ『谷中・いろは茶屋』と見ていて退屈しない並びになっています。アニメ版で初めて『鬼平』の世界を知った視聴者が『原作やドラマも見てみようかな』と思える内容ではあったので、メディアミックス作品としての任務は果たしたのではないでしょうか。

次はこれ。

 

 

神山健治監督作品ということで、劇場で見ようか見まいか悩んだ作品でしたが、これも結果から申しあげるとDVD鑑賞で充分でした。序盤にエンシェン・ト・ハートが幽閉されている塔に戻る場面や、ラストの心羽の落下シーンのようにジブリ作品へのオマージュには結構唸らされたものの、全体的に不満点のほうが多かった。何がアカンかったかって、

 

いうほど昼寝をしていなかった

 

ことかなぁ……タイトルが作品に反映されていないのはイカンでしょ。ココネ≠エンシェン・ト・ハートであることが早い段階で読めたため、悪い意味でオチを絞り込めてしまい、それが的中してしまったのも残念。あとは夢と現実のリンクが曖昧過ぎる。SFというジャンルの括りを物語の整合性のなさの言い訳にするのは好きじゃあありません。この辺は『君の名は』も同じですね。

ラストはこれ。

 

 

こっれっはっねぇ……物凄く評価に困る作品でした。クオリティは極めて高いです。そして、戦争を題材にした作品で、このテの作風はちょっと見たことがない。誤解を招きそうな表現で恐縮ですけれども、本作は、

 

戦争をノスタルジィとして描いている

 

のですね。ノスタルジィというと(私の苦手な)『always~三丁目の夕日~』のように『あの頃はよかった』みたいな自慰的幻想を共有するものと思われがちですが、実はそればかりじゃあない。喜びも悲しみも含めて『あんなこともあったね』『こんなこともあったね』と語り合う題材としても、ノスタルジィは成立する。これも誤解を招きそうな表現ですが、本作は闇市とか楠公飯とか、

 

大東亜戦争あるあるネタ

 

を愉しむ作品なのだと思います。戦争ものは、その割合は措くとして、戦争を肯定するか否定するかに大別されることが多いですが、本作は純粋に、そして、かぎりなく平坦な視点で先の大戦を眺めている。作中で幾度も繰り返される本土空襲も、普通の作品ではどんどん追い詰められていく感を出そうとするところですが、本作ではだんだん空襲に慣らされてゆくのですよ。これが逆に戦争のリアル=人間性の喪失を描いているように感じました。この辺は今日のJアラートに通ずるものがあるようにも思いますが、それは措くとして、戦争を肯定するでも否定するでもなく、純粋に&リアルに『あるあるネタ』を積み重ねてゆくスタイルは非常に新鮮でした。

尤も、そういう作風が好きか嫌いかといわれると『好きじゃあない』のも確かなのですよねぇ。本作とほぼ同時代を描いた作品に宮さんの『風立ちぬ』がありますが、個人的にはあちらのほうが断然好き。戦争は大嫌いなくせに戦争の道具である戦車や戦闘機は大好きな宮さんが、自分の創作に都合のいい要素を他の誰にも真似できないレベルの鮮やかさで縫合するという作り手側の屈折した感情が察せられる『風立ちぬ』のほうが、弄りのネタとしては面白いのよ。どちらが上とか下とかではなく、私個人の好みの問題です、念のため。

 

 

3.『華族最後の戦い』再放送感想(ネタバレ有)

 

ナレーション(木戸幸一の)ボギー狙いの大崩れをしないゴルフは、同伴者には面白味がなかったとか……」

 

これは桂小五郎の一族。はっきりわかんだね。

 

今年の八月の記事でもチョロッと触れた『華族最後の戦い』。本放送時は出だしの15~20分くらいを見そびれていたので、本格的な感想を書くのは控えましたが、先日、ありがたいことに再放送されたので、改めて全編を通して視聴&ブルーレイに永久保存した次第です。すっげぇ面白かった!

何よりも木戸幸一という実に評価の分かれる人物を主軸に据える発想に度肝を抜かれましたが、その木戸を演じる佐野史郎さんのハマリっぷりや、GHQや松平アナウンサーの質問に言葉を尽くしながらも、実は殆ど質問には答えていない台詞回しの巧みさにも感銘を受けました。確かに日本の貴族や官僚って、こういう答弁をするよね。でも、一番凄いと思ったのは、

 

松平定知「戦争責任は専ら軍部にある。立憲君主たる天皇は、その責任を負うべき立場にはない。同時に内大臣は国政とは全く関係のないところで、その天皇をお助けする、輔弼する身だけであるから、当然、その責任はない。こういう論旨であります」

 

の場面。これ、視聴者に向けた木戸の胸中の解説なのですけれども、この時の松平アナの映像は横から抜かれていて正面から視聴者に語り掛けていないのですね。つまり、この時の松平アナの言葉は嘘……とまではいかなくとも、決して真実ではないという、製作者側のアピールなのですよ。かなりデリケートな問題なので主張の是非そのものを論ずるつもりはありませんが、表現の仕方としては押しつけがましさを全く感じさせないスマートなものでした。視聴者の多くも『あれ? この場面は何か不自然だぞ?』と感じた筈です。こういう微妙な仕掛けに製作者のメッセージを織り込む手法、ほんとすこ。この場面の面白さを他の方にも体験して頂きたいので、更なる再放送を期待するや切ですが、題材的に難しいだろうなぁ。

 

 

 

 

 

 


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