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『BLACK LAGOON』#92感想(ネタバレ有)

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あれ? 今月号はページ多くない?

 

『レクリエイターズ』完結記念の増頁なのかと思って、冷静に数えて直してみたら、普通に十六頁でした。月刊連載としては決して多くないにも拘わらず、そんな錯覚をしてしまったのは、ここ最近の頁が少なかったためか、それとも、内容的に満足のいく出来であった所為か。多分、両方。完結した『レクリエイターズ』の感想は後日記事にする予定ですが、一つだけいわせて頂けると真鏨の介入が早過ぎたかなぁ。あれだと最終的に颯太の被造物がワイルドカードになる筋書きがバレバレで、セレジアや松原の奮戦が決定打になり得ないことが判っちゃったんですよねぇ。せめて、シリウス敗北後に嘘の嘘をくるりと裏返して欲しかったと思います。まぁ、それはそれとして、連載復活後で一番見応えのあった今月号のポイントは4つ。

 

 

1.maimai

 

バオ「資金洗浄だ。連中の抱えてる『洗濯機』。さぞかし立派な金細工でも入ってるGE製の高級品だろうよ。とにかく、そいつが連中にすら、思いも寄らない理由でぶっ飛んじまった。だから、汚れた洗濯物はいまだに洗濯機ン中で、こんがらがってこびり付いてる。そいつをどうしたらいいか、考えあぐねてるって所だろう」

 

今編のキーワード『アリ・ドラグア』が東欧マフィアの洗浄資金であると確定した瞬間。この辺は先回の内容でアタリがついていましたが、問題は洗浄資金そのものが戦艦アリゾナ宜しく、月の裏側までブッ飛んでいるのか、それとも、洗浄途中のデータがネットの海の底深くに沈んでいるのかでしょう。前者であれば、荒事の契機=レヴィの出番があるかも知れませんが、後者の場合は素直にベニーに頼んだほうが早いような気もします。そもそも、今回の仕掛け人であるジェーンがロアナプラで最初にやらかした事件も、ネットの海の底に沈んだデータのサルベージが解決の鍵になったことを思うと、ロックも今少し、周囲の人間に頼る&慎重に物事を眺めるべきかも知れません。まぁ、本人は危険なゲームを独り占めしたくて仕方ないのかも知れませんが。

 


2.嗤えねェ

 

エダ「窮地の時は笑いな。悪魔よりも先に笑うのさ、ベイビー」

 

『逆襲のロベルタ編』でメイン張ったので、今回は出番なしかと思っていたエダが参戦。意外な気もしますが、事件がマフィアの資金源に留まらず、その根幹に東欧社会と中共のパイプがあったからにはアンクルサムの太鼓持ちとしては看過し得ない事態です。エダが五~六枚嚙んでこないほうが不自然なので、これはこれでOK。そういや、ロニーに漁礁にされていた男はヤードのスパイでした。『逆襲のロベルタ編』に続き、今回も国家間の利害が絡んでくるのかも。尤も、ノベライズ第二弾(時系列上は逆襲のロベルタ編と今章の間)で、ロアナプラが国家規模の謀略さえも笑劇に変えてしまう魔界であることを思い知らされたばかりのエダなので、今回は敢えて主導権を握ることなく、ロックの思惑に乗る方を選ぶのではないかと思います。

 

 

3.業務上背任

 

エダ「見返りは?」

ロック「うちが誰に何を運んでいるか、知りたくは?」

 

社長と経理の不在をいいことに、エダの情報提供&協力の見返りとして、ラグーン商会の帳簿を売り渡そうとするロック。やってしまいましたなぁ。これは大変なことやと思うよ。(ダッチとベニーが戻ってきたら)再教育やろうなぁ。ダッチに知られたら、額に新品の鼻の穴をこさえられるか、ケツの穴に44マグナムをブチ込まれるかのどちらかでしょう。否、両方かも知れません。ロアナプラでは比較的常識人で通っているダッチですが、先章でキャクストンが看破したように、彼の経歴は街の誰よりも謎に満ちているからなぁ。如何に狂暴であっても、前歴がハッキリしているババライカのほうが遥かに行動原理を読みやすい。

ただし、ロックも一方的に情報を提供するに留まらず、無難な手段が取れない時には共にカチコミすることをエダに確約させていました。エダに情報の食い逃げを許さないという意味に留まらず、イザという時にはヨランダ婆さんを通じて、ダッチに執り成しを頼む計画かも知れません。

 

 

4.たゆんたゆん

 

リーリャ「あの尼さん、うまく言えないけれど……なんか感じ悪いのよね。凄くあばずれっぽいんだけど、なんて言うか……そう、作り物っぽいの」

 

エダが単なる暴力シスターでないことを見抜いたリーリャ。この辺、顔を合わせる度に毒舌の応酬を繰り広げていても、何だかんだでエダと仲良くつるんでいるレヴィよりもいい勘をしていると思います。まぁ、レヴィはあれで夢見る乙女だからね、仕方ないね。

尤も、この直前に整形とか豊胸とかいう話題で盛りあがる女子会(?)が描かれていたことを思うと、リーリャが感じたエダへの違和感は『そういうこと』なのかも知れません。そういや、単行本のオマケ漫画に登場した十七歳のエダはソバカスだらけで胸も真っ平でしたからねぇ。あれはあれで田舎のチアダンス部の雰囲気が堪らなくそそる存在ではあるのですが。

 

 

 


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